教皇の葬儀、厳粛に
偉大な使徒職を回想
(2005.4.8)

 

 ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世の葬儀ミサが、バチカンで8日、厳粛にとりおこなわれた。

 この日のローマは薄ぐもりの天候となったが、ミサ開始前、大聖堂の背景には澄んだ青空がひろがった。人という人で埋めつくされた広場周辺には、教皇の祖国ポーランドの赤と白の旗を始め、世界各国の信者が掲げる色とりどりの国旗が強い風にたなびいた。

 ミサにはおよそ100万人の信者と共に、欧米や中東諸国の元首らをはじめとする各国政府関係者や、コンスタンチノープル総主教、英国国教会カンタベリー大主教ら宗派の異なるキリスト教教会代表者や諸宗教の指導者など、各界の要人が世界から2000人近く参列、カトリック教会史上にも例のない大規模な葬儀となった。

 このほかバチカンに入りきれなかった人々のために、ローマ市内の各所でも大型スクリーンによる中継が行われ、教皇の葬儀への総動員数は200万人以上ともいわれた。

 聖歌隊の美しい合唱と共に、教皇の納められた棺が入場すると、会場には大きな拍手が沸き起こった。飾りを省いた質素な木の棺は祭壇前の地面に下ろされ、その上には開いた福音書がのせられた。おりから吹く風がミサの間中、福音の頁を静かにめくり続けた。

 ミサを司式したラッツィンガー枢機卿は説教の中で、キリストの呼びかけに最後の最後まで従い、神の愛をその力として司祭職を貫き通した教会の牧者、すべての人々との出会いを惜しまず、赦しを願い、人の心を開き続けた対話の人としての教皇の姿を示し、その偉大な使徒職を回想した。

 そして同枢機卿は、苦しみの中で最期まで人々を祝福し続けた教皇は、「今は天の父の家の窓から私たちを見て祝福をおくってくださる」と述べて信者らを励まし、亡き教皇の魂を聖母に委ねて祈った。

 ミサの終わりに行われた告別式では、諸聖人の連祷に次いで、まずルイーニ枢機卿がローマ・ラテン典礼を代表して告別の祈りを行い、続いてアレッサンドリア・コプト典礼のステファノス・ガッタス総大司教がカトリック東方典礼を代表して祈った。この際、宗派の異なるキリスト教会の代表者らも棺の周りに集い黙祷した。

 そして、教皇の棺は祭壇近くの参列者の前を小さく一周した後、大聖堂の正面で留まり、人々の終わることのない拍手を受けた。鐘が長く鳴りわたる中、教皇の棺は大聖堂の中にゆっくりと運ばれ、人々はそれぞれの感動を胸に帰路についた。


 

 

vatican radio

strumenti di navigazione links & sourcesprofessional servicewho we arethe Pope's voicebroadcasts on demandlive broadcasts

 

 

 

 



















 

 

 

 

 







 


 



 

 

trasmissioni in direttatrasmissioni on demandlink e fontilink e fontichi siamola voce del papa