エキュメニカルなキリスト教共同体であるテゼ共同体の創立者、ブラザー・ロジェ・シュッツ(90)の葬儀が、23日午後とり行われた。
ブラザー・ロジェは、今月16日、共同体での夕べの祈りの最中、精神障害のある女性に刃物で刺され死亡、このニュースはキリスト教関係者に大きな悲しみをもたらした。
フランス・テゼの和解の教会で行われた葬儀には、様々な宗派のキリスト教会の代表や数多くの若者たちをはじめとする1万人以上が参列し、静かな祈りのうちに故人を偲んだ。
葬儀中の聖歌や朗読は、対話を大切に国や民族を超えたすべての人々の一致を望んだブラザー・ロジェの和解の精神を強調するものとなった。
テゼ共同体の新しい責任者となったブラザー・アロイズは、葬儀の開始の言葉で、ブラザー・ロジェを殺害した女性への赦しを神に願った。
共同体の司祭らと共に葬儀ミサを司式した教皇庁キリスト教一致推進評議会議長ウォルター・カスパー枢機卿は、教皇ベネディクト16世からのメッセージを伝えた後、説教の中で「エキュメニズムの春はテゼの丘に花を咲かせました。この和解の教会で、ブラザー・ロジェの存在とその模範に啓発された互いの尊重、対話、祈り、兄弟的分かち合いの中で、異なるキリスト教教会の信者たちは出会うのです」と述べ、ロジェ師の足跡に従い、教会、そして人類の一致の歩みに希望を持って進むよう呼びかけた。
そぼ降る雨にも関わらず、教会の外にも大勢の人々が集まり、大型モニターに見入りながらミサに参加した。
ミサの後、人々が見送る中、ブラザー・ロジェの簡素な棺は4人の共同体メンバーに担がれて、村の小さな墓地へと向かった。そして、共同体の人々と、数人の親類のみが立ち会って埋葬が行われた。
![]() |
|||
|