教皇ベネディクト16世は、カステルガンドルフォで26日午後、神学者のハンス・キュング神父とお会いになった。
キュング神父は1928年スイスの生まれ。第2バチカン公会議に神学の顧問として参加。その後、ドイツ・チュービンゲン大学の神学の教授となった。教皇は1966年から69年の間、同大学でキュング師と共に教鞭をとられている。
バチカンのナヴァロ・ヴァルス広報局長によれば、教皇とキュング教授の出会いは打ち解けたもので、両者とも、キュング師の神学的見解とカトリック教会の教えの間にある議論には立ち入らない同意のもと、話題は主に同師の最近注目される仕事、地球倫理の問題と、自然科学とキリスト教信仰の対話に集中した。
キュング教授は、彼の地球倫理は主知的な抽象概念ではなく、むしろ世界の主要宗教が、そのすべての違いにも関わらず向う倫理価値に光を当てるものであり、世俗的理性の基準からも知覚可能なものと強調。
教皇は、キュング教授が諸宗教との対話と世俗的理性との出会いを通して、人類の本質的倫理価値の新たな確認に貢献していることを評価された。そして、人間の生を支える価値の新たな認識への取り組みは、ご自分の教皇職の重要な目標の一つであると強調された。
また、教皇は、キュング教授の信仰と自然科学の対話を活気付け、神をめぐる問題の道理性と必要性に価値を与える試みに合意している旨を主張された。
これに対しキュング教授は、教皇の諸宗教との対話と、現代世界の様々な社会グループとの出会いへの努力に賛意を表明した。
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