12使徒の聖小ヤコブを考察
教皇一般謁見
(2006.6.28)

 

 教皇ベネディクト16世は、28日、バチカンの聖ペトロ広場で水曜恒例の一般謁見を行なわれた。

 イタリアは一週間以上にわたり熱波に覆われ、ローマでも連日高温が続いている。教皇は日差しの下にいる巡礼者たちのために、先週同様、用意された講話を多少短くしてお話になった。

 教皇はこの日のカテケーシス(教会の教えの解説)で、最近テーマとしているイエスの12使徒の中から、聖小ヤコブを取り上げられた。

 ゼベタイの子でヨハネの兄弟、大ヤコブと区別され、「アルファイの子ヤコブ」と呼ばれているこの弟子は、小ヤコブ(マルコ15,40)とも呼ばれ、彼の母が「クロパの妻マリア」(ヨハネ19,25)であるとも、おそらくナザレ出身でイエスの親戚とも考えられていること(参考マタイ13,55 マルコ6,3)を教皇は紹介された。

 教皇は、小ヤコブがエルサレムの教会の中で傑出した役割を果たしていたことを示すものとして、エルサレムの使徒会議での彼の発言(使徒言行録15,13)、またヤコブに復活後の主が現れたという聖パウロの記述(1コリント15,7)、さらにエルサレムを訪れたパウロとの出会いで、ヤコブが「柱と目されるおもだった人たち」の筆頭に上げられていること(ガラテア2,9)を挙げられた。

 また、小ヤコブは新約中の「ヤコブの手紙」の著者とも考えられているが、「アルファイの子ヤコブ」と「ヤコブの手紙」を記した「神と主イエス・キリストの僕ヤコブ」の関係は研究者たちが議論するところであると述べた。

 いずれにしても、ユダヤ人ではない異邦人の改宗者への対応をめぐって討議する弟子たちに、モーセの律法を尊重しながらも、そのすべての慣習を異邦人に適用させなくてもよいという解決策を出したヤコブの考え(使徒言行録 同上)は、ユダヤ教をその原型として保ち尊重しながらも、その一方で異邦人出身の信者らの社会的アイデンティティーを守ることを認めるキリスト教のあり方を表すものであると教皇は指摘された。

 そして、教皇は「ヤコブの手紙」中の「行いを伴わない信仰は死んだものです」(2,26)という言葉や、「主の御心であれば」(4,15)という神に委ねた態度を大切なものとして示された。

 教皇はカテケーシスの後、この日集ったおよそ4万人の巡礼者に各国語で挨拶をおくられた。

 この中で教皇は、翌29日の使徒聖ペトロ・聖パウロの大祝日に触れられ、福音を熱心に広め、殉教に至るまで信仰を証しした偉大な2人の使徒を思い起こすよう招かれた。

 また、教皇は、イエスの聖心に対する信心を扱うピオ12世の回勅「ハウリエティス・アクアス(1956年)」発布50周年を記念して集ったイタリアの「祈りの使徒職」運動関係者に、イエスの聖心との一致がすべての人々にとって聖性と使徒的活動の源泉であるようにと願われた。

 さらに、オリオーネ会の関係者には、「一番貧しい兄弟たちの中に神のみ姿が輝く」という創立者聖ルイジ・オリオーネ神父の言葉にあるように、これからも弱く、苦しむ人々への奉仕を通して福音を証しして欲しいと述べられた。

 最後に教皇は、夏休みの時期に入ったことを受け、若者たちがこの機会に社会的・宗教的経験を深めるよう期待されると共に、病者たちに夏の間も家族の支えが欠けることのないようにと祈られた。

 

 

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