新たな宣教への取り組み強調
教皇、ラテンアメリカ司教らに
(2007.5.14)

 

 教皇ベネディクト16世は、13日、ブラジルのアパレシーダで開会した第5回ラテンアメリカ・カリブ司教協議会総会で、会議全体の指針となる講話を行なわれた。

 教皇出席のもと開かれた総会最初の集いは夕べの祈りと共に行なわれ、参加司教らは会議の実りを一致して祈った。

 講話の中で教皇は、刷新された福音宣教、社会問題、家庭の保護、青少年司牧、信徒の役割など、ラテンアメリカの教会が今後取り組むべき様々な課題にくまなく言及しながら、世界のカトリック信者の約半数が住む同大陸の宣教に新たな飛躍を呼びかけられた。

 特に、キリスト者の生活の中心である聖体の重要さを示された教皇は、聖体におけるキリストとの出会いからこそ福音宣教と連帯を推進する力を得ることができると説かれ、聖体から生まれる愛の文明によって「ラテンアメリカが『希望の大陸』であると同時に『愛の大陸』となっていくように」と願われた。

 教皇は5世紀にわたりラテンアメリカの国々の生活と文化に深く関わってきたキリスト教信仰の歴史を思い起こすと共に、その同じ信仰をもって社会の調和ある発展とカトリック教会のアイデンティティーに関わる今日の様々な問題に挑戦していくよう励まされた。

 今日の世界を考える上で、教皇は注目すべき現象の一つとしてグローバル化の問題に触れ、この現象はその長所だけでなく、大きな一極化を招き、究極の価値を金銭的利得に変えてしまう危険を伴っていることを指摘、グローバル化が人間への奉仕に役立つよう倫理的観点から見守っていく必要を述べた。

 また、ラテンアメリカにおける民主主義の発展を認めつつも、権威やある種のイデオロギーをふりかざす政治のあり方や、非常に深刻な貧富の差を生んでいる、「平等さ」を考慮しない経済自由化に憂慮を表された。

 さらに教皇は教会自体の問題に視点を向け、カテキスタや新しい教会運動・修道会の働き、またカトリック教会の教育・福祉事業の成長と共に、ラテンアメリカの信徒たちの信仰が目に見えて成熟する一方で、世俗主義や快楽主義、無関心主義、多くの分派や新手の偽の宗教の熱心な勧誘によって、社会やカトリック教会における信者の生活がある意味で弱体化している現状をも見つめられた。

 こうした新しい困難な状況に対し、教皇は創造的な司牧を通して信仰の活性化を図る必要を強調された。

 イエス・キリストの弟子・宣教者であることは第一にイエスに深く根ざしているということと教皇は明言すると共に、それはまた社会の緊急の問題を置き去りにし、霊的な世界に現実逃避することではないと話された。

 社会の正しい秩序はどこから生まれるのかを教皇は問う中で、マルクス主義や資本主義が犯した破壊的な過ちに言及、「神が存在しない社会は、倫理価値に対する必要な同意も、その価値に従って生きる力も得ることができない」と述べられた。

 一方で教皇は、政治の仕事は教会の直接の専門ではなく、健全な政教分離の尊重は真のキリスト教の伝統において本質的なものであると、教会が直接に政治問題に関わることに対し注意を促し、ある一つの政治的傾向や意見、政党の立場を取ることは、教会の独立と倫理的権威を損なうと指摘。「正義と貧しい人々の擁護者」である教会は、独立した立場にあるからこそ、政治を超えて人々の生活や意識に侵すことのできない価値や、一つの指針・選択を示すことができると説かれた。

 具体的な司牧上の課題として教皇は、人類の財産である家庭の保護、人生や神の神秘への好奇心にあふれる一方で麻薬・アルコール・暴力などの危険にさらされやすい青少年の司牧などを挙げられた。

 そして、教皇は「主よ、傷つきやすい私たちの社会と共に、貧しく謙遜な人々、社会でしばしば自分たちの居場所を見出せない先住民族の人々、子どもたち、若者、高齢者、病者たちと共に留まってください。あなたの弟子・宣教者となれるよう私たちすべてを信仰のうちに強めてください」と熱い祈りを捧げ、総会における言葉を締めくくられた。

 

 

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