「希望の人」
教皇、帰天から5年の
ヴァン・トゥアン枢機卿を回想
(2007.9.18)

 

 教皇ベネディクト16世は、カステルガンドルフォで17日、教皇庁正義と平和評議会関係者らとお会いになり、5年前に逝去した同評議会の前議長グエン・ヴァン・トゥアン枢機卿を思い起こされた。

 2002年9月16日のヴァン・トゥアン枢機卿の帰天から5年を機会に行なわれたこの謁見には、同枢機卿を記念して設立された基金と教会の社会教説の普及を目的とする国際オブザーバー機関、さらに故枢機卿の親族らも参加した。

 フランソワ・サビエール・グエン・ヴァン・トゥアン枢機卿は、1928年、ベトナム南部フエに生まれた。同師の家庭は17世紀後半からたび重なる迫害の歴史をくぐり抜けてきたキリスト教徒の家系。南ベトナム初代大統領ゴ・ジン・ジェムは、ベトナム史上唯一のカトリックの大統領であり、同枢機卿の伯父にあたる。

 1953年、司祭叙階。ローマで教会法を修めた後、ベトナムに戻り教鞭を取った。1967年、ニャトラン司教。1975年、サイゴン大司教に。しかし、同年のサイゴン陥落で共産政権によって逮捕され、その後13年間にわたる過酷な監獄生活を強いられた。

 獄中では木片で作った十字架を電線で作った鎖で首に掛け、僅かなパンくずと、薬と称して差し入れてもらったぶどう酒数滴を用いて、手のひらの上でミサを捧げていた。入手したわずかな紙で信仰の書を執筆した。

 1988年に解放された後、ヨーロッパに渡り、1998年より教皇庁正義と平和評議会の議長を務めた。2001年には枢機卿に任命された。

 その後間もなく闘病生活に入ることとなったが、自らの苦しみを神に捧げその間も精力的な司牧活動を行い、2002年9月16日、ローマで74歳で帰天した。

 帰天から5年経過した現在、ヴァン・トゥアン枢機卿の列福調査の申請に向けて準備が行なわれている。

 教皇はこの集いで、ヴァン・トゥアン枢機卿との個人的な交流の思い出をまじえながら、その打ち解けた和やかな人柄、すべての人と対話する能力、英雄的な司牧者としての輝ける信仰の証しを回想された。

 「ヴァン・トゥアン枢機卿は希望の人でした。希望に生き、出会うすべての人に希望を伝えていました」と教皇は述べ、肉体的・精神的困難に打ち勝った同枢機卿の霊的なエネルギー、神の手にすべてを委託する信頼と福音的単純さに深い称賛を表された。

 教皇はヴァン・トゥアン枢機卿の列福調査手続きが近々開始されるとの報告を喜ばれると共に、「キリスト教的希望の預言者」としての同枢機卿の生き方を多くの人が模範とすることができるようにと祈られた。

 

 

 

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