ローマ教区の終身助祭たちとの出会い 
挨拶 
(2006.2.18)

 

 
 

親愛なる助祭の皆さん、

 ローマにおける終身助祭制度復活75周年の記念にあたって、皆さんとこうしてお会いすることができ大変うれしく思います。皆さん一人ひとりとそのご家族に私の心からの挨拶をおくります。

 使徒聖パウロはフィリピの教会に宛てたあの有名な手紙の中で次のように言っています。「キリストは自分をむなしくして、しもべの身となった」(フィリピ2,7)。模範とすべきお方は彼、キリストご自身です。福音書において、キリストは使徒たちに自分は「仕えられるためではなく仕えるために来たのだ」(マタイ20,28)と言われました。特に最後の晩餐の席上、使徒たちに自分は「仕える者」(ルカ22,27)として彼らの間にいるのだと再び説明した後、当時は奴隷の仕事だった足を洗うという謙虚な行いを12人の使徒たちに対して行い、こうして弟子たちが先生に倣うことができるよう模範を残しました。

 祈りと秘跡によって、特に聖体礼拝によって培うべきキリストとの一致は、あなた方の使徒職が神の愛を具体的に証しするものとなるために最も大切なことです。事実、回勅「神は愛」にも書いたように、愛は初めに神から与えらたものですから、「愛は命令となりうる」のです。

 親愛なる助祭の皆さん、主があなた方のために育まれ、皆さんの生活の上に豊かに注がれる愛を、喜びと感謝をもって受け入れてください。そして、皆さんが無償で主からいただいたものを寛大に人々にも与えてください。ローマは貧しい人々への奉仕において長い伝統を誇っていますが、この数年、新しい形の貧困が目立ってきています。実際、多くの人々が生活の指針を失い、その人生の基盤となる真理を見出すことができません。多くの若者たちは、彼らのことばに耳を傾け、その困難な生活において有益な言葉を与えてくれる人を求めています。物質的な貧困と共に、精神的・文化的な貧困も存在します。キリストとの出会いが「人生に新たな広がりを与え、同時にその行方を決定づける」ということをはっきりと自覚しているローマ教区は、今、信仰の伝達というテーマに特別な注意をはらっています。

 親愛なる助祭の皆さん、様々な教会共同体において寛大に提供してくださる奉仕のために、私は心から感謝しています。皆さんは特に洗礼教育と家庭司牧において貢献しています。あなた方は、助祭の叙階式の時司教から託されたキリストの福音を説きながら、子供たちのために洗礼を望む親たちを、神の生命と神の大家族の神秘の理解を深めるよう助けます。婚姻の秘跡を希望する人たちには、「二人の間の決定的な愛は、神とその民との間の関係を表すものです]と説明しながら、人間的な愛の真理を告げます。皆さんの中の多くは、事務所や病院、学校など様々な職場に勤めています。その職場において皆さんは真理の奉仕者となる召命を受けているのです。

 福音を伝えながら、人間の労働に意義を与え照らすことが、あなた方にはできるのです。病人たちに苦しみの意味を説き、若い人々にキリスト教信仰の美しさを発見するよう助けることができるのです。皆さんはこのようにして、人々を自由にする真理に仕える助祭として、人々をイエス・キリストとの出会いに導くのです。自分の人生の中に救い主を受け入れることは、試練の時にあっても深い喜びをもたらされることです。したがって皆さんは神がすべての人に与えようと望んでおられる喜びをもたらす者、真理の奉仕者であるのです。

 もちろん、使徒聖ヤコブが「行いの伴わない信仰は死んだ信仰である」と言っている通り、ただ言葉だけで信仰を伝えるのは十分ではありません。ですから、愛による具体的な証しをもった福音宣教が必要です。それは教会にとって、決して単なる社会奉仕ではありません。かえってそれは教会の本質に属することであり、教会そのものを表現するものなのです。愛徳の実践は、初めから助祭職に属していました。使徒言行録が語っている7人の助祭たちは、具体的な愛徳の奉仕のために選ばれました。

 皆さんはローマの教会に属しています。皆さんは、助祭ラウレンチオの中に素晴らしい模範が示されている、助祭職の長い伝統を引き継ぐ人たちです。大きな困難を乗り越えるため必要な援助を求めて小教区共同体の扉をたたく人々は、多くの場合、イタリアから遠く離れた国々から来ている貧しい人たちです。広い心でこの兄弟たちを受け入れてあげてください。いつも「あなたがたによく言っておく。これらのわたしの兄弟、しかも最も小さな者の一人にしたのは、わたしにしたのである」(マタイ25,40)という主の言葉を思い起こし、可能な限り彼らを助けてあげてください。皆さんの中でこのように、日ごと静かな愛徳の証しに励んでいる方々に、私は心から感謝します。事実、皆さんの奉仕を通して、貧しい人々も自分たちが神の子のあの大きな家族、すなわち教会の一員なのだと実感できるのです。

 助祭の皆さん、神の無限の愛を生き証しすることによって、皆さんの奉仕は交わりとしての教会の建設にいつも貢献しているのです。皆さんはその使徒職の遂行にあたって、皆さんの家族の祈りと愛情に支えられています。皆さんの助祭としての召命は、そのご家族にとっても特別なお恵みだと言えます。こうして家族も神のみ旨に従い、教会の必要性に応えるようにと招かれているのです。皆さんの全教会共同体のための奉仕に協力してくれる皆さんの奥さんたちや子供たちに、主が豊かに報いてくださいますように。

 世界に救い主を与えた、主の謙虚なはしため聖母マリアと、生命をも捧げるほどに主を愛した助祭ラウレンチオが、いつもその祈りをもって皆さんを見守ってくださいますように。私は皆さん一人ひとりと、使徒職の中であなた方と出会うすべての人々に、心を込めて使徒的祝福をおくります。

 


vatican radio

strumenti di navigazione links & sourcesprofessional servicewho we arethe Pope's voicebroadcasts on demandlive broadcasts

 

 

 

 



















 

 

 

 

 







 


 



 

 

trasmissioni in direttatrasmissioni on demandlink e fontilink e fontichi siamola voce del papa