主の奉献の祝日
世界奉献生活の日
教皇ミサ説教
(2007.2.2)

 

 親愛なる兄弟姉妹の皆さん

 ミサ聖祭の終わりにあたり、ここ聖ペトロ大聖堂に集った皆さんに今年もこうしてお会いできることを大変うれしく思います。

 今日のこの祝日は、キリストの神秘体である教会にとって、また多くの修道会に属する皆さんにとっても意味深いものです。今日は、私の前任者教皇ヨハネ・パウロ2世が「世界奉献生活の日」と定めた「主の奉献」の祝日です。この日は主に多くの修道者たちの召命を祈り求めるためのよい機会です。

 親愛なる兄弟姉妹の皆さん、今日の祝日は、皆さんの福音的証しが本当に効果的であるためには、あなたたちを特別な愛でご自分に奉献させた神の愛に余すことなく完全に答えなければならないことを教えています。死の前にメシアを一目見たいと希望し、エルサレムの贖いを心待ちにする人々に救い主について語っていたあのアンナとシメオン老人たちのように、現代も特に若者たちの間に神と出会いたいという要求が大きく広まっています。

 神から奉献生活に選ばれた人々は、この霊的な渇望を決定的な方法で自分自身のものとするのです。彼らの中にはたった一つの期待があります。それは神のみ国への期待だけです。その中にはただ永遠の神だけが満足させることのできる唯一の愛の渇きだけが燃え上がっています。絶えず何らかの意義を求めながらも方向性を失っている世界に、彼らの模範によって神は存在の主、「その愛は生命に勝る恵み」(詩編63,4)であることを宣言するのです。天の国のために従順と清貧と貞潔を選び取ることによって、物や人に対するいかなる愛や執着も心を完全には満足させることはできないこと、またこの世の存在は神なる花婿との出会いを一時的に待つ期間にすぎず、彼がおいでになる時にいつでも迎え入れるために目覚めた心で生きる時であることを示しているのです。

 奉献生活はその本質からして神に対する全面的、決定的、無条件の答えです。キリストに従うためにすべてを放棄する時、キリストに倣う奉献生活者はその師のように必ず「逆らいのしるし」となります。なぜなら、その考え方・生き方がこの世の論理とはしばしば正反対であるからです。

 キリストが修道者を選ばれます。いや、むしろ修道者はあますところなくキリストから捕らえられるのだと言えましょう。このような勇気を前にして、真理に餓えている多くの人々は強い印象を受けます。そして、信じることのために生命を捧げることをもいとわない人々に惹きつけられるのです。これこそがこの時代でも各奉献生活者が呼ばれている根本的な福音的忠実ではないでしょうか。

 多くの修道者、修道女たち、奉献生活者たちが、地上のあらゆる所で神と兄弟たちへの愛の最高の忠実な証し、時には殉教の血に染まることさえあるその証しを捧げ続けていることを主に感謝しましょう。このような模範が、多くの若者たちの魂の中に親密で全体的な方法で終生キリストに従いたいとの望みを引き起こしていることを神に感謝しましょう。

 親愛なる兄弟姉妹の皆さん、奉献生活はまず第一に、そのご計画に従って最後の目的に達するまで導かれる神からの恵みだということを決して忘れないようにしてください。奉献生活が神からの恵みだというこの確実性は、この時代が投げかける様々な挑戦や避けがたい困難を前に、あくまでも召命に踏みとどまるための支え、励ましとなるでしょう。事実、私たちが生きているこの困難な時代にあって、少なからざる修道会が自らの内部に抱える弱さや会の使命達成のために遭遇する多くの困難のために方向性を見失っています。今日神殿に奉献されるあの幼きイエスは、今も私たちの間に生きておられます。不可見の方法ではありますが、私たちが忠実に救いのみ業にイエスと共に協力できるよう私たちを支えてくださっています。

 光という象徴によって記念される今日の典礼は、特別に意味深いものがあります。この儀式のはじめに皆さんが行った荘厳なローソク行列は、キリストが歴史の夜に輝き、真理を心から捜し求める人々を照らすまことの世の光であることを示しています。

 親愛なる修道者の皆さん、真理の輝きであるイエスから発される炎がどこにおいても輝きわたるよう、キリストの光に燃える皆さんの生活によってこの光を輝かせてください。キリストに全身全霊を捧げ尽くすことによって、皆さんはキリストの真理の魅力、キリストに対する愛からあふれ出る喜びを証しています。皆さんは観想、活動、孤独、兄弟愛、貧しい人々、最も小さな人々への奉仕において、神は愛であること、神を愛することは素晴らしいことを証しし、宣言するのです。

 いともうるわしき聖母マリアが、今日の人々にあなたがたの言葉と行いからにじみ出る神の魅力を伝えることを教えてくださいますように。

 あなたがたの教会のための奉仕に心からの感謝を捧げつつ、いつも私の祈りの中に皆さんを思い出すことを約束し、心からの祝福をおくります。

 

 

 

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