2007-10-04 17:23:00

アレキサンドリアの聖チリロを考察 教皇一般謁見


教皇ベネディクト16世は、バチカンで3日、水曜恒例の一般謁見を行なわれた。

10月に入ってからローマは好天に恵まれ、比較的暑い日が続いている。この日聖ペトロ広場で行なわれた謁見には世界各国の巡礼者およそ4万人が訪れた。

謁見中のカテケーシス(教会の教えの解説)で、教皇は初代教会の教父の考察として、アレキサンドリアの聖チリロを取り上げられた。

「信仰の柱」「教父たちの封印」とも呼ばれる聖チリロは、370年から380年頃アレキサンドリアに生まれた。同地の司教であった叔父テオフィロの死後、チリロは412年、若くしてその後継者として選出され、444年の帰天に至るまで実に精力的な司牧を行なった。

聖チリロは信仰を熱心に擁護し、アタナシウスをはじめとする教会の先代の教父らを常に引用し、自身の神学が教会の伝統にしっかりと基づき、正統な教説に沿ったものであるよう配慮した。

コンスタンチノープル司教、ネストリウスに反論する一連の書簡を通して、チリロはキリストにおける神性と人性の一致を強調し、キリスト論に大変重要な貢献をすると共に、マリアを「神の母」と呼ぶことの正統を主張、431年のエフェソ公会議で大きな役割を果たした。

こうした聖チリロの生涯を振り返られた教皇は、旧約・新約聖書の注釈、異端に対する護教論をはじめ、聖チリロの数多い著作が教会で広く読まれ、キリスト教の歴史の中で重要な位置を占めていること、また、東西の教会で聖人として崇敬される彼は教皇レオ13世によって1882年に教会博士として宣言されたことなどを紹介された。

私たちの信仰の中心は、一人ひとりに新しい世界と決定的な方向を示してくれるイエス・キリストとの出会いであると述べられた教皇は、それをあくことなく証し続けた聖チリロの姿を思い起こされた。







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