教皇ヨハネ・パウロ2世の逝去から一夜明けた3日、バチカンでミサが捧げられ、教皇の永遠の安息を祈った。
大きな悲しみの報が伝えられた前夜、聖ペトロ広場に集った約10万人の信徒らは、教皇がいつも姿を見せておられた宮殿の書斎の窓を見つめながら、ロザリオの祈りや聖母の連祷を唱えた。教皇の死を告げる鐘に、聖歌の調べが静かに重なっていった。闇に浮かび上がる大聖堂に向けて歩く人の流れは夜中まで絶えることなく、若者たちのグループはろうそくを灯し広場の石畳の上で祈り続けた。
翌朝、追悼のミサの中で司式者ソダノ枢機卿は、26年にわたり唯一の真理としてのキリストを見つめるよう招き続け、世界中にその福音をもたらした教皇を深く偲ぶと共に、教皇自身が常に説いていたキリスト教的希望の福音を思いおこし、悲しみ、涙にくれる信徒らを励ました。
この後ソダノ枢機卿は、教皇がこの復活祭後最初の日曜日「神のいつくしみの主日」のために準備していた説教を読み上げた。
教皇はこの中で、時に悪の権力やエゴイズム、恐怖に支配されるように見える世界に、赦しと和解をもたらし、希望に心を開かせ、平和を与える復活のキリストの愛を指し示し、「イエスよ、あなたに信頼します」と神のいつくしみに全世界を委ねて祈られていた。
ミサの終わり、参加者は復活節中に唱える聖母賛歌レジナ・チェリを歌い、聖母をこよなく崇敬した亡き教皇を思い祈った。
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