カトリック教会の典礼暦は、26日、「キリストの聖体」(コルプス・ドミニ)の大祝日を記念した。
教皇ベネディクト16世は、この祝日の伝統行事として、夕方からローマ市内の聖ヨハネ大聖堂でミサを捧げられ、続いて聖マリア大聖堂までの聖体行列、同大聖堂前での聖体降福式をとり行われた。
「キリストの聖体」の祝日とは、「パンとぶどう酒の形色の下に復活して今も生きるイエス・キリストの現存」を称え、「聖体拝領において信者の霊的食物として与えられるキリストの御体と御血」を賛美する日。1264年、ウルバヌス4世教皇によって、全教会の祝日として定められた。この大祝日は三位一体の主日(聖霊降臨後第1の主日)の直後の木曜日に祝われるが、日本を含む多くの国のカトリック教会では、同週の日曜日に記念される。
聖ヨハネ大聖堂でのミサで、教会はキリストの聖体の祝日に、聖木曜日の神秘を再び生きると述べられた教皇は、聖木曜日の聖体行列が「十字架の道」に向かう孤独なキリストのお供をしたように、聖体の大祝日には、主の復活の喜びの中にこの行列を繰りかえし、キリストの命に従って「ガリラヤに向かって」歩みながら、天の御父の住まいまで導かれていこう、と呼びかけられた。
また教皇は、パンの形色の下に現存されるキリストを街中にもたらす聖体行列は、私たちの生活と街のための大きな祝福であると説かれ、キリストの祝福の光がすべての人々の上に注がれるよう祈られた。
ミサ終了後に行われた「聖体行列」は、聖ヨハネ大聖堂から聖マリア大聖堂を結ぶメルラーナ通りのゆるやかな坂をゆっくりと上がっていった。聖体顕示台を据え、天蓋をかけた車上で、教皇は聖体礼拝を続けられ、枢機卿、司教、司祭、修道者、伝統衣装に身を包んだ様々な信心会グループ、そして一般市民らが、厳かに聖歌を歌いながらこれに従った。やがて夕闇が迫ると、人々の掲げるロウソクの灯が街道いっぱいに広がっていった。
聖マリア大聖堂に行列到着後、教皇による聖体降福式が行われた。聖歌「タントゥム・エルゴ」を人々と共に歌われた教皇は、聖体顕示台を高く掲げ会衆を祝福された。
さらに聖体賛美の祈りが唱えられ、「サルベ・レジナ」の歌をもって、この日の行事は終了した。
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