教皇、イタリア大統領を公式訪問
家庭・命の擁護願う
(2005.6.24)

 

 教会の暦で洗礼者聖ヨハネの誕生を記念した24日、教皇ベネディクト16世は、イタリアのカルロ・アゼリオ・チャンピ大統領を大統領官邸クイリナーレ宮殿に訪問した。

 この訪問は、チャンピ大統領自身の招きに応えるもので、教皇登位後5月3日の同大統領のバチカン訪問への返礼ともなるもの。

 同大統領は、以前教皇ヨハネ・パウロ2世を、イタリアの保護聖人の一人であるシエナの聖カタリナの祝日4月29日に大統領官邸に招待していたが、同教皇の逝去によってこの約束は果たされず、それから約2ヶ月後のこの日に新教皇の訪問を待つこととなった。

 今日イタリア大統領官邸となっているクイリナーレ宮殿は、ローマの7つの丘の一つ、クイリナーレの丘の上に位置する。同丘は、古代には神殿や公共建築群が多く見られた。16世紀、ぶどう園の上に建っていたカラファ邸は、エステ枢機卿や教皇グレゴリウス13世によって増改築され、続くシスト5世はこの宮殿を夏の離宮とし、さらなる拡張を手がけた。17世紀初頭、パウロ5世によって現在見る宮殿の原型が作られ、さらに18世紀には付属の建物も完成した。

 同宮殿は1582年から1870年まで歴代教皇によって使用され、ローマがイタリア王国に併合されてからは国王一家の王宮、共和国成立後には大統領官邸となった。

 教皇がクイリナーレ宮殿に赴くのは、1939年のピオ12世がヴィットリオ・エマヌエレ3世を訪問したのを初回に、ヨハネ23世(1963年)、パウロ6世(1964、1966年)、ヨハネ・パウロ2世(1984、1986、1998年)と続き、ベネディクト16世の今回の訪問は史上8回目となる。

 このたびの教皇ベネディクト16世のクイリナーレ訪問も、歴代教皇の例と同様に、非常に荘重な様式をもって行われた。

 教皇は出発前にバチカン市国とイタリアの境界線にあるピオ12世広場で、フィーニ外相を始めとするイタリア政府の使節団に迎えられた。

 続いて教皇を乗せたオープンカーは、正装した大統領護衛憲兵の12台のオートバイに囲まれてゆっくりとローマ市内を走り、ローマ市庁舎に近いベネチア広場でいったん止まった。教皇は広場でローマ市長からの挨拶を受けられ、ここからさらに華やかな大統領付き騎馬憲兵隊の護衛に伴われてクイリナーレ宮殿へと向かわれた。

 この日のローマは初夏の青空に恵まれ、すばらしい訪問日和となった。厳かな行列の中にも、教皇は車の中から沿道の市民に笑顔で手を振られた。

 大統領官邸に到着した教皇はさっそくチャンピ大統領の出迎えを受け、続いてコシガ、スカルファロ両元大統領やベルルスコーニ首相らとも挨拶を交わされた。

 教皇は大統領の案内を受けながら、かつての教皇宮殿の一つ、クイリナーレ宮の広間の一つひとつをご覧になった。途中、パウロ5世がカルロ・マデルノに設計させたパオリーナ礼拝堂において、教皇はしばし聖体礼拝の時を持たれた。

 30分以上にわたる大統領との個人会談に続いて、教皇は祝祭の間に集った政府要人らを前に、大統領への公式の挨拶を読み上げられた。

 この中で教皇は、イタリアとカトリック教会の独立した関係に敬意を示した上で、これからも教会は同国における精神的・倫理的成長に対する協力と奉仕を惜しまない旨を述べられた。

 また教皇は、イタリアが歴史・文化の根底にあるキリスト教の遺産を守り、キリスト教精神の源泉を再発見しつつ、欧州の一致に貢献することを願われると共に、家族・命、そして教育の権利の擁護を強調された。

 約2時間半の訪問を終えられた教皇は、再びオープンカーでローマ市内を通り、バチカン宮殿に戻られた。


 

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