教皇ベネディクト16世は、「アパレシーダの聖母」がピオ11世によってブラジルの保護者として宣言されてから今年で75周年を迎えることに、同国の教会関係者にお祝いのメッセージをおくられた。
ブラジルで深く崇敬されているアパレシーダの聖母には以下のような由来がある。1717年のある日、パライーバ川で貧しい漁師たちが網を打っていると、最初に胴、次には頭と、2度にわたりテラコッタ製の聖母像がかかった。その日はまったくの不漁だったが、この出来事に驚き勇気付けられた彼らが再び網を投げ入れると、魚が船にあふれるほどの大漁となった。
漁師の一人が聖母像を家に持ちかえり、その妻が像の頭と胴を接着し祭壇に据え、以来家族や近隣の人々がその前でロザリオを唱えるようになった。その後、聖母像にまつわる数々の奇跡が伝えられ、多くの巡礼者が訪れるようになり、川底から「現れた(アパレシーダ)無原罪なるわれらが婦人」への信心はブラジル中に瞬く間に広がっていった。
教皇ピオ11世は1930年アパレシーダの聖母をブラジルの保護者と宣言。同国では毎年10月12日はアパレシーダに捧げる国民祝日となっている。
アパレシーダ聖母巡礼聖堂には常に巡礼者の波が絶えない。1967年に教皇パウロ6世は聖母像に金の薔薇を捧げられた。1980年には、教皇ヨハネ・パウロ2世によって新しい巡礼聖堂の献堂式が行われている。
![]() |
|||
|