アフリカのモーリタニアの首都ヌアクショットで3日、サウジアラビアのファハド国王葬儀に訪れていたタヤ大統領の不在中に、軍部による無血クーデターが行われた。
現地の教会関係者の話によれば、クーデターから明けた4日、首都は平静を取り戻し、宣教師はじめ在留外国人に対する危険は現在のところないという。
駐モーリタニア・バチカン大使ジュゼッペ・ピント大司教は、バチカン放送局のインタビューに現地の状況やクーデターの背景などを語った。
ピント大司教によると、モーリタニアには2003年、2004年とこれまで2度にわたるクーデター未遂があったが、最近の国内は平穏を見せていた。
かつては自身もクーデターにより政権を把握したタヤ大統領だが、近年は社会・経済改革を進めており、今回の政変は今後の国際的協力計画の成り行きを不透明にする恐れがあると教皇大使は指摘。
そして、クーデターの背景にある、政府と軍部、民族、地域の対立、互いの信頼と対話の欠如を改め、憲法に沿って国内を一致させていく姿勢が、モーリタニアの民主化のために不可欠であると強調した。
モーリタニアは103万平方キロメートルの国土に、人口わずか283万人が分散している。宗教は99%がイスラム教(国教)に属し、国内のカトリック信者は約4千人。
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