教皇ベネディクト16世は、バチカンで26日、水曜恒例の一般謁見を行われた。
10月も終わりとはいえ、ここ数日のローマは夏のような暑さが戻っている。この朝聖ペトロ広場に集ったおよそ5万人の巡礼者たちにも、帽子や半袖の姿が目立った。
謁見中の教皇によるカテケーシス(教会の教えの解説)では、継続中のテーマ、夕べの祈りの考察として、聖パウロのフィリピの信徒への手紙の賛歌(2・6−11)が取り上げられた。
毎日曜日の第一晩課で朗読されるこの「キリスト賛歌」は、過去のカテケーシスでも数回取り上げられている。
教皇は、この賛歌に見られる下降と上昇の動き、すなわち神と等しい者でありながら十字架上の死に至るまでへりくだったキリストの謙遜と従順、そして、死の後で神に高く上げられ再び輝くキリストの栄光とを示された。
そして、キリストの死に至るまでの犠牲的な従順に、神は御子を高く上げ、「あらゆる名にまさる名」すなわち「主」の名を与えることで応えられ、神の救いのご計画はキリストの中に完成を見ることを知る私たちは、特に典礼の中で「イエス・キリストは主である」と宣言し賛美するよう招かれていると説かれた。
カテケーシスに続き、教皇は世界各国の巡礼者に挨拶された。会場にはイタリアの小児がん患者援助団体「希望の町」(本部:パドヴァ)の関係者として、小児がんを克服した子どもたちとその両親、医療関係者らが姿を見せていたが、教皇は「キリストの十字架は私たちに苦しみの真の意味を教えてくれます。十字架のイエスに心を合わせ、ロザリオを通して祈りながら、マリアの手にすべてを委ねましょう」と励ましの言葉をおくられた。
また、ロザリオの月である10月の終わりにあたり、教皇はキリスト者に親しみ深いこの祈りを進んで唱えるよう再び招かれ、教会と世界の様々な必要のため、特に地震など自然災害の被災者のために祈るように呼びかけられた。
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