教皇ベネディクト16世は、2日、水曜恒例の一般謁見を行われた。
11月に入ってからもローマでは比較的気温の高い日が続いている。好天を受けて聖ペトロ広場で行われた謁見には、およそ5万人の巡礼者が参加した。
謁見中のカテケーシス(教会の教えの解説)の始めに教皇は、この日がカトリック教会の暦で「死者の日」を記念することを思い起こされ、今はこの世を去った親しい人々のために祈り、すべての人間が共通に受け継ぐものとしての、死の神秘を思うよう招かれた。
信仰の光に照らす時、人は死の神秘を落ち着きと希望を持って見ることができると述べられた教皇は、神のみ旨に従って生きた人々にとって、死は終わりというより新たな誕生であり、満ちみてる命に到達するために必ず通過しなければならないものと説かれた。
続いて、教皇は夕べの祈りの考察として旧約聖書・詩編112番を解説された。
「ハレルヤ、主を畏れる人は幸い」という言葉で始まる詩編112番には、主を畏れ、主の戒めを愛する人たちの姿が描かれる。
教皇は、この詩編に歌われる「主を畏れる人」とはどういう人なのかと問いながら、それは神の律法への従順によって平安と調和を保ち、不道徳や不正を退けるのみならず、何よりも困っている隣人たちに寛大に与える愛を特徴とする人たちであると述べられ、神に忠実であることは憐れみ深くあることと強調された。
カテケーシスの後、教皇は会場の参加者に各国語で挨拶をおくられた。この日、イタリア国内の子どもを多く持つ家族たちのグループ「イタリア大家族協会」の会員らが姿を見せ、両親に伴われた大勢の子どもたちが会場に歓声を響かせていた。教皇は同協会への励ましの言葉の中で、社会の基礎となる家庭の中心性、社会の豊かさと希望をになう子どもたちの存在の重要性を強調され、子どもの多い家庭に対して社会的・法的支援が推進されるようにと願われた。
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