バチカンのスイス衛兵隊の創設から、来年は500周年を迎える。これを記念してバチカンでは様々な記念行事が行われる。
華やかなユニフォームが、バチカンを訪れる人々に強い印象を与えるスイス衛兵だが、その創設の歴史は16世紀初頭にさかのぼる。教皇ユリウス2世(在位1503−1513)は自身の護衛のためスイス兵による衛兵隊結成を考案。1505年6月21日の勅書でスイス兵を召集した。150人のスイス兵がアルプスを越え、北・中央イタリアを通過し、ローマのポポロ門をくぐって入場したのは、1506年1月22日のことだった。
以来、スイス衛兵は今日に至るまで、教皇の身辺の警備のため忠実な任務を果たしてきた。
バチカンでは来年の衛兵隊創設500年を記念した行事を発表。これによれば2006年前半期、バチカンを中心に、スイス、イタリアにおいて一連のイベントが予定されている。
まず、2006年1月22日は、スイス衛兵隊創立の日として、隊員のためにバチカン宮殿のシスティーナ礼拝堂でミサが捧げられる。この日は日曜日であることから、正午の教皇によるアンジェラスの祈りの集いの際に、聖ペトロ広場で整列と敬礼が行われる。
3月29日からは、バチカンのシャルル・マーニュ翼で「スイス衛兵、500年の歴史・美術・生活」と題された展覧会が催される。
また、4月7日から5月4日に、スイス南東ベリンゾーナからローマに向けての記念行進が行われる。これはスイス衛兵のローマ入りを思い起こすもので、当時ローマへの重要な巡礼ルートだったフランチジェーナ街道をたどる。一行は途中に立ち寄る各地方においても歓迎を受ける。
5月3日から5日にかけて、バチカンのパウロ6世ホールにて、スイス軍楽団(スイス・アーミー・コンサート・バンド)などによる3つの演奏会が予定されている。
そして5月6日、ローマ略奪(1527年)の際に教皇を守るために命を落とした多くのスイス兵を追悼するこの日、隊員らは教皇司式のミサに与る。
同日午後からは、新しい入隊員の宣誓式が行われる。伝統にのっとる荘重な宣誓は、毎年バチカン宮殿内のダマソの中庭で行われるが、この年は衛兵隊の長い歴史上初めて聖ペトロ広場で公開されることとなった。
宣誓式の後、聖天使城(カステル・サンタンジェロ)において、衛兵隊関係者の集いが行われ、夜には花火が打ち上げられる。
そして、翌7日(日)正午の教皇によるアンジェラスの祈りの集いには、聖ペトロ広場にスイス衛兵隊が再び整列する。
この他、スイスでも、バチカンの衛兵隊をテーマにした展覧会や会議が開かれる予定。
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