教皇ベネディクト16世は、バチカンで1日、11ヶ国の新任大使の公式訪問を受けられた。
この日、教皇がお会いになったのは、タンザニア、ネパール、フィンランド、セントルシア、エルサルバドル、デンマーク、南アフリカ、アルジェリア、エリトリア、トーゴ、アンドラ各国の駐バチカン大使。
教皇は新大使の一人ひとりから信任状を受取られ、挨拶を交換された。
全大使への共通の挨拶で教皇は、特に平和構築への具体的な取り組みを強くアピールされた。「人類を苦しめる戦争や暴力を止めるためには、平和への願いだけでは足りない、すべての善意の人々が、あらゆるレベルにおいて平和と和解のために具体的な努力をすべき」と述べられた教皇は、平和の文化を推進するために青少年教育の重要性を指摘された。
一方、国別の挨拶で、教皇はアルジェリア大使に、福者シャルル・ド・フーコーの兄弟愛と連帯の精神を例にとりながら、宗教の自由とキリスト教とイスラム教の平和のための対話について話され、エリトリア大使には、信教の自由と国内外の平和構築、食糧不足・旱魃・貧困からの解放への努力を促された。
また、今年行われた大統領選挙等をめぐり政治的混乱と暴力事件が見られたトーゴの大使には、対話を通し、法と正義に基づいた調和ある社会構築を願われ、タンザニア大使には、同国が周辺国の戦争難民を寛大に受け入れていることに称賛を表された。
南アフリカの大使には、アパルトヘイト問題を克服した同国が、これからは発展途上国の債務取り消しや、平和と経済支援推進を呼びかける声としての役割を担って欲しいと期待されたほか、エイズ問題に対しては、夫婦間の貞節と忠実、家庭生活の価値の重要性を訴える教会の姿勢を明らかにされた。
さらに教皇は、他の国々の大使にも、教会と国家の関係、社会の世俗化、諸宗教・キリスト教間の対話、移民問題、平和と正義の推進、貧困からの解放、共通善を目的とした努力などをテーマに話された。
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