教皇ベネディクト16世は、19日、フランスの新大使とお会いになった。
この日、信任状提出のためバチカンを訪れたのは、ベルナール・ケッセジャン大使(62)。
同大使への挨拶で教皇は、今日のフランスの社会的緊張や、結婚制度や生命倫理などをテーマに話された。
フランスが今年、政教分離法成立から100周年を迎えることに触れられた教皇は、健全な権限区別に基づく政教分離の原則は、互いの管轄の尊重において、教会の社会での活動と対立するものではなく、また教会を社会から締め出すものでもないと、政教分離の真の意味における教会の自主性を強調された。
一方、最近フランス全土に広がった社会的緊張は、大都市郊外ばかりではなく、すべての社会階層に衝撃を与えたと指摘された教皇は、こうした社会内部の暴力を非難すると同時に、若者たちの深い不満をそこに読み取り、建設的な対話を通して彼らの必要とするものを認識し、それに対して適切な答えを与えていかなくてはならないと述べられた。
また教皇は、特に青少年の自我や、共通善など社会生活に必要な価値観の形成の基礎となる家庭と結婚制度の大切さを訴えると共に、生命倫理問題においては、人間、特にその生命の開始を単なる研究対象として扱う傾向を憂慮され、生命を尊重することなしに真に人間的な社会の構築は不可能であると説かれた。
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