ケニアのナイロビで、25日、サレジオ会のフィリップ・ヴァラヤム神父(46)が何者かによって銃殺された。
犯人とその犯行の動機は未だ不明だが、状況から見て強盗目的の可能性が高いという。
ヴァラヤム神父は1959年、インド生まれ。1988年に司祭叙階後、97年から東アフリカに渡り、タンザニアでの活動を経て、2001年よりケニアに移った。ナイロビにあるイースタン・アフリカ・カトリック大学タンガザ・カレッジで教鞭を取るかたわら、ストリート・チルドレンの世話をしていた。
ヴァラヤム神父が殺害されたのは、25日の午前3時過ぎ。その少し前にストリート・チルドレンの保護センターで、サレジオ会員らと子どもたちで降誕祭のミサを捧げたばかりだった。事件を目撃した少年の話によれば、神父はミサの後、少し離れた修道院に車で戻る途中、武装したグループに囲まれ、車の鍵を渡すように言われ、神父が体を動かしたとたんに頭を銃で撃たれたという。
ケニアで教会関係者が殺害されるのはこれが初めてではなく、1997年、アイルランド出身のフランシスコ会修道士の殺害に始まり、今年7月のルイジ・ロカーティ司教まで、多くの宣教師が暴力の犠牲となっている。
地元のカトリック系ラジオ局局長のレナート・キジト・セサーナ神父は、バチカン放送局のインタビューに対し、ナイロビおよびケニア一般において宣教師らの存在は多くの人々から尊重されており、宣教師に対する敵意はないと思われるが、ケニアには周辺国から安価な武器が流入しており、これが治安悪化の原因となっているのではないかと述べた。
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