教皇ベネディクト16世は、聖ステファノの祝日を迎えた26日、正午にアンジェラスの祈りの集いを持たれた。
カトリック教会の典礼暦は降誕祭の翌日、教会の最初の殉教者、聖ステファノを記念する。
聖ステファノは初代教会で助祭として活躍したが、キリスト教に敵意を抱く人々から石打ちにあって殉教した。その人となりと説教、殉教については、新約聖書・使徒言行録6、7章に詳しく記されている。
聖ステファノの祝日はイタリアでは国民祭日であることから、この朝ローマの中心街は比較的閑散としていたが、バチカンの周辺は聖ペトロ広場に向かう人や車で活気を見せていた。
教皇は正午の集いで、イエスに完全に倣う者、正真の弟子としての聖ステファノの生き方を振り返られた。
ベトレヘムに生まれた幼子には十字架の道が待っていることを示された教皇は、喜びに満ちた降誕祭は聖ステファノの殉教のエピソードと決して無関係ではなく、むしろ両者の特別な結びつきを見つめるよう強調された。
教皇は、ステファノに始まり今日に至るまでキリストにおける信仰を血によって証しした多くの殉教者たちを思い起こされながら、現在も世界の各地でキリスト教信仰を証しするためにいかに殉教者的な勇気が必要とされ、また迫害のないところでも、福音と一致した生き方をすることにどれだけの犠牲を強いられるかを指摘された。
そして、教皇はマリアの腕に抱かれた幼子イエスを観想し、聖ステファノの生き方を見つめつつ、信仰と生き方を一致させる恵みを神に祈ろうと招かれた。
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