教皇ベネディクト16世は、主の公現の大祝日を迎えた6日午前、バチカンの聖ペトロ大聖堂でミサを捧げられ、正午には信者と共にアンジェラスの祈りを唱えられた。
主の公現とは、キリストが公に人々の前に姿を現されたことを意味し、異邦人である東方三博士の訪問に代表されるように、イエスを通して神の栄光がすべての人々に現れたことを記念する。
この日は好天に恵まれると共に、主の公現の日はイタリアでは国民祝日ということもあり、バチカンには子ども連れの家族など、多くの市民が繰り出し、祈りの集いが行われた聖ペトロ広場は約5万人の巡礼者で埋まった。
バチカンに向けてまっすぐ伸びるコンチリアツィオーネ通りでは、大きな帽子とマント姿でゆっくりと馬をすすめる東方三博士や、華やかな旗を掲げる旗手たちをはじめ、練り歩く時代装束の行列が、観光客らの目を楽しませた。
教皇は集いの説教で、ユリウス暦で翌日降誕祭を祝う東方教会の信者たちに温かい挨拶をおくられた。
東方三博士の幼子イエス礼拝を思い起こす主の公現の日に、「私たちは主を拝みに来たのです」をテーマに昨年夏ケルンで行われた世界青年の日大会と信仰の光に導かれた若者たちの深い精神的な巡礼を感動をもって振り返られた教皇は、「神に心の扉を開け放ちなさい。キリストの驚きに打たれなさい」と、ライン川のほとりで若者たちに呼びかけた言葉を繰り返された。
教皇は、教会全体がケルンの時のように「主の公現」の空気と真の宣教心を呼吸するよう、また同様にすべてのキリスト者の完全な一致が、世界の一致を推進する証しとなるようにと聖母に祈られた。
また、集いの後半の挨拶で、この日は「子どもたちは子どもたちを助ける」をモットーにピオ12世が設立した「児童宣教の日」であることを思い起こされた教皇は、教皇庁児童福祉会は子どもたちの目を世界に開き、同年代の恵まれない子どもたちの存在に注意を払う教育を推進すると共に、困難な状況にある子どもたちを対象に数多くの支援事業を行っていることを紹介された。
そして、教皇は「私の教皇職と教会のミッションのためにも、子どもたちのお祈りに期待しています」と小さなキリスト者らに呼びかけられた。
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