教皇ベネディクト16世は、12日、イタリアのラツィオ州とローマ県、そしてローマ市の行政関係者と新年の挨拶を交換された。
ローマ市をはじめとするこれら地方行政区は、バチカンとは歴史的にも地理的にも深い繋がりを持っている。
この日、バチカン宮殿のクレメンスの間には、ラツィオ州知事・ローマ県知事・ローマ市長らをはじめ、各議会関係者らが集った。教皇と地元行政関係者との新年の挨拶交換は毎年恒例のものだが、ベネディクト16世にとっては初めての機会となった。
教皇は挨拶の冒頭で、前任者ヨハネ・パウロ2世がローマとラツィオの人々に持っていた愛情を思い起こされながら、同時に故教皇の病床時とその葬儀、また続くコンクラーベにおいて、地元の人々が教皇に示した大きな愛情と、またその機会に世界中から訪れた膨大な数の巡礼者たちを市民が快く迎え入れてくれたことに深い感謝を述べられた。
これからの地方行政の課題として教皇は、特に「家族」そして「命」をテーマとして挙げられ、結婚に基づいた家庭の大切さ、生まれてくる命と高齢者や病者への保護を訴えられた。
かつてヨハネ・パウロ2世はローマ教区の司祭らにローマ方言で「がんばりましょう」と話されたことがあるが、今回、ローマ市長はベネディクト16世の出身地バイエルン地方の言葉で(今年も)「がんばりましょう」と述べた。これを嬉しそうなご様子で聞かれた教皇は「私としては、来年のためにローマ方言を勉強したいと思います」と答えられた。
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