教皇ベネディクト16世の初めての回勅「デウス・カリタス・エスト(神は愛なり)」が、25日、発布された。
同回勅は、教皇によって2005年12月25日、主の降誕の大祝日に署名され、聖パウロの回心の記念日で、キリスト教一致祈祷週間の最終日であるこの日に発布の運びとなった。
「神は愛です。愛にとどまる人は、神の内にとどまり、神もその人の内にとどまってくださいます」ヨハネの手紙一(4、16)の言葉で始まるこの回勅は、キリスト教的愛をテーマとしている。神の名が時に復讐や憎しみ、暴力にまで結び付けられる世界にあって、愛なる神を説くキリスト教のメッセージは時代に即した重要な意義を持っている。
回勅の内容は大きく2つの部分に分けられる。
第1部では神の人間に対する愛、また神の愛と人間の愛の固有の関係について本質的な論拠を明らかにしながら、「愛(アモーレ)」の概念をめぐって、「エロス」「フィリア」「アガペ」といった様々な次元における神学的・哲学的考察を行っている。
また、第2部では、神の愛に基づいた隣人に対する愛をテーマに、キリスト者と教会に与えられた愛の掟の具体的な実践について触れている。
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