教皇ベネディクト16世は、2日、ローマ教区の司祭たちとお会いになった。
毎年、四旬節入りと共に行われるこの出会いでは、ローマ教区の司教である教皇と同教区下の小教区の主任司祭たちが、司牧の現状や取り組むべき課題を率直に話し合う。ちなみにローマ教区は現在330以上の小教区、およそ5500人の司祭を擁している。
冒頭に一人の主任司祭がヨハネ・パウロ2世とベネディクト16世に捧げるソネットを朗読するなど、教皇と司祭たちの集いはこのうえなく家族的な雰囲気のもとに行われた。代表の主任司祭15人が、家庭や青少年の司牧、若い司祭の育成など、それぞれの現場で直面する様々な問題を報告し助言を求めると、教皇は原稿を用いることなく一つひとつのテーマに丁寧に答えられ、これらの対話はおよそ2時間に及んだ。
教皇はこの席で、キリスト教的愛の証しとして、先月トルコで殺害されたローマ教区司祭アンドレア・サントーロ神父を思い起こされ、四旬節を迎えた今、それぞれの司祭召命を改めて自覚するよう主任司祭たちに招かれた。
ヨハネ・パウロ2世も回勅「いのちの福音」で指摘されていたように、「神を知らない世界、神を忘れた世界は、命を失い死の文明に陥ってしまいます」と述べられた教皇は、「命を捧げることで命を得る。これこそ十字架の最高の意味です」とキリスト者にとって「自分を与える」ことの大切さを強調された。
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