教皇ベネディクト16世は、27日、教皇庁聖書委員会のメンバーとお会いになった。同委員会はこのたび通年の定例会議を開催していた。
同委員会は、聖書研究推進を目的に1902年レオ13世によって設立されたもので、1971年パウロ6世による再編で教理省の管轄下に入った。通常、教理省長官が同委員会の議長とされ、ベネディクト16世も教理省長官時代に同委員会をまとめていた。
教皇と旧知のメンバーたちの出会いは大変親しい雰囲気のもとに行われた。
挨拶で教皇は今回の定例会議のテーマ「聖書と倫理の関係」をふまえた話をされた。
教皇は、人間の原始的な衝動は幸福や人生の完全な実現への欲望に基づくものであるが、今日ではこれらを神とその掟に関わることなく、人間の理性と自由の絶対的上位のもと、「人間だけの倫理」の中に実現しようとする傾向があることを指摘。
これに対し、創造主が人間の中に刻まれた人の心の羅針盤ともいえる「自然法」は、人間の自由を排除するものではなく、むしろ保証し推進するものであり、人となられたみ言葉、イエスにおける信仰こそ、人間のあるべき姿を完成し、人間の倫理的行動を最高の形で実現するものであると述べられた。
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