バチカンのナヴァロ・ヴァロス広報局長は、先日中国で2人の司教が教皇の同意なしに叙階されたことに対し、教皇庁側の強い抗議を表明した。
これは、先月30日に雲南省昆明で馬英林神父が、また今月3日に安徽省蕪湖で劉新紅神父が、教皇ベネディクト16世の委任を受けることなく司教に叙階されたことを受けたもの。
声明は、教皇がこの叙階の知らせを「深い遺憾の念」をもって受け取られたことを明らかにし、司教叙階という教会にとってかくも重要な行為が、どちらの場合においても教皇との一致の必要を尊重することなく行なわれたことを非難。これは教会の一致に深い傷を与える行為として、教会法で定められた厳しい制裁を見通すものであるとしている。
また、広報局長は、バチカン側が得た情報として、司教らと司祭たちは、教皇の同意がないゆえに非合法であるこの司教叙階式に、彼らの意思に反して参加するよう、教会外の組織の強い圧力と脅迫を受けたこと、そして多くの司教らはこれを拒絶し、一方幾人かの司教らは内心の苦しみと共にこれに従わざるを得なかったことを挙げ、このような出来事は、カトリック共同体だけでなく、良心の傷となるだろうと述べ、宗教上の自由の重大な侵害であることを強調した。
一方で、教皇庁は今では過去のものと思われていたこれらの遺憾な出来事を念頭に置きつつも、中国におけるカトリック教会の苦しみに満ちた歩みを見守っていく姿勢を確認、改めて外部のあらゆる干渉からの教会の自由と自主性を訴えた。
そして、声明の終わりには、教皇庁はこれまで様々な機会に中国当局との誠実で前向きな対話の用意を主張してきたが、今回のような行為は対話を推進するどころか障害を生むだろうと述べている。
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