バチカンのスイス衛兵隊の創立500年を記念し、6日午前、衛兵たちと関係者らのために教皇ベネディクト16世によるミサがとり行なわれ、午後からは新入隊員らの宣誓式が一般公開された。
1506年の同隊創立から500年目を迎え、今年明けから様々な催しが行なわれてきたが、1527年の「ローマ略奪」で命を落としたスイス衛兵たちを思い起こす5月6日、記念年の行事は最高潮に達した。
カール5世(神聖ローマ皇帝・在位1519−56)の軍隊によるローマ略奪(1527.5.6)では、時の教皇クレメンス7世(在位1523−34)を守るため147人のスイス衛兵が戦死した。1月22日の衛兵隊創立日と並び、同日は隊員らにとって大切な記念日となっており、毎年、新隊員の宣誓が行なわれるのもこの日である。
朝に行なわれた教皇ミサには、110人の現役のスイス衛兵をはじめ、元隊員や家族、そしてスイス政府関係者や同国の巡礼団が参加し、聖ペトロ大聖堂をいっぱいにした。
午後からの新隊員の宣誓式は史上初めて聖ペトロ広場で行なわれ、一般の人々に公開されることになった。一方、通年の宣誓式はバチカン宮殿の聖ダマソの中庭で行なわれ、参加は関係者に限られる。
今回、宣誓を行なった新入隊員は33人。広場に詰め掛けた人々が見守る中、高らかなトランペットの音と共に式の開始が告げられた。正装した新入隊員の一団が聖ペトロ大聖堂に向けて行進、大聖堂正面に整列した。
衛兵隊付きの司祭がまず最初に宣誓文を読み上げた。それにのっとり新隊員らも一人ずつ前に進み出て、左手を力強く隊旗の柄にかけ、右手は三位一体への信仰を表す3本指を天に向け、教皇と教会への忠誠と奉仕を誓い、神と保護聖人たちの助けを願う伝統の宣誓文を朗々と述べた。
宣誓文は、フランス語、ドイツ語、イタリア語と隊員の出身地方によって異なる言語が使用された。全員の宣誓が終わると会場は温かい励ましの拍手で包まれた。
![]() |
|||
|