教皇ベネディクト16世は、18日、インド、チャド、カーボベルデ、オーストラリア、モルドバの新しい大使らの訪問を受けられた。
5カ国の新大使からそれぞれ信任状を受け取られた教皇は、共通の挨拶で、超越的な価値と共通善を目指す政策において協力することで国家間の平和は可能であり、経済的関心よりも人間に注意を向けた、自由と兄弟愛に基づく相互依存の世界を構築するよう呼びかけられた。
続く国別の挨拶で教皇は、財政建て直しに取り組むカーボベルデには国際社会の連帯を呼びかけると共に、すべての人々の尊厳を守る社会の構築を願われ、また石油資源を持つチャドには、自然資源の運用の透明さと、社会と国民の全体的発展に役立つ富の分配を期待された。
インド大使には、同国の民主化への努力を評価される一方、宗教的不寛容の存在に懸念を示され、信教の自由と異なる宗教・民族間の平和な共存を訴えられた。
さらに、教皇はオーストリア大使に対しては、世俗化した社会における青少年や家族の倫理問題を指摘されたほか、モルドバ大使には、かつて全体主義において「自由のない正義」を体験した同国が、新しい国づくりのモデルを求める中で「真理のない自由」の危険に陥ることのないようにと励ましをおくられた。
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