教皇ベネディクト16世は、ポーランド訪問の最終日となった28日、クラクフのブロニエ公園でミサを捧げられた。
前日夕方には、同公園で若者たちとの出会いが行なわれたが、夜半の強い雨にも関わらず、多くの若者たちは翌朝のミサのために会場に残った。夜明けと共にポーランド全土から信者らが続々と詰め掛け、その数は推定100万人にも達した。ミサにはカチンスキ大統領やマルチンキエウィチュ首相はじめとする政府要人らも出席、ポーランドや他の国々から120人の司教と2000人の司祭が参加した。
この日は多くの国の教会で「主の昇天」が記念された。教皇はミサの説教で、「ガリラヤの人たち、なぜ天を見上げて立っているのか」(使徒言行録1、11)という問いを会場の人々にも投げかけながら、人は地上の現実を生きながらそのまなざしを地上の巡礼の最終的な目的地である天にしっかりと据えるように招かれていると説かれた。そして、キリストに信頼し、神の真理を受け入れ、「信仰と希望と愛の中に固く留まる」よう信者らに熱く呼びかけられた。
カロル・ヴォイティーワ=ヨハネ・パウロ2世の愛したクラクフは、「私のクラクフでもある」と述べられた教皇は、「遠い国からやってきた」前教皇の故郷は、いまやすべての人々にとって親しい国となったと話され、訪問で得たポーランド国民との生き生きとした出会いに喜びを表された。
ミサ中の共同祈願では、インドネシア・ジャワ島の地震の犠牲者の冥福と、被災地への国際共同体の支援を願う祈りも捧げられた。
この日、教皇は午後からアウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所を訪問される。教皇はポーランド訪問に際しこの訪問を強く希望されていた。ここではユダヤ教関係者や元収容者らとお会いになり、大量虐殺の犠牲者のために、また世界の平和のために祈りを捧げられる。
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