バチカン庭園で31日、聖母月を締めくくるロザリオの祈りが行なわれた。
カトリック教会は伝統的に5月を聖母マリアに捧げる月としている。バチカンではその最終日に庭園内で信者参加のロザリオの祈りを行なうのが毎年の恒例となっている。
この夕、バチカン庭園には、聖職者や修道者、信者ら大変多くの参加者が集合、アンジェロ・コマストリ大司教の先唱に合わせロザリオの祈りを唱えつつ、市国内の聖ステファノ・アビッシーニ教会から、丘の上のルルドのグロッタ(洞窟)までろうそく行列を行なった。風の吹く肌寒い夜となったが、しだいに暮れて行く庭園には数千のろうそくの温かい光が瞬いた。
バチカンのルルドのグロッタは、フランスのルルド・マッサビエルのそれを模したもので、前世紀初頭、当時のタルブ=ルルド司教から教皇レオ13世に贈られたもの。グロッタに到着した参加者は、ここで教皇ベネディクト16世を迎え聖書朗読と祈りを行った。
教皇は説教で、先日のポーランド司牧訪問をはじめ、毎日の教会への奉仕における聖母の常なる支えに感謝され、キリスト者はあらゆる状況において聖母の母としての助けに信頼することができると述べられた。
教皇はこの日典礼暦で記念された聖母のエリザベト訪問を観想しつつ、「マリアの赴く先にはイエスがいる。聖母に心を開く人はイエスを受け入れ、喜びでいっぱいに満たされる」と話され、真の聖母信心はイエス・キリストへの愛と信仰をかげらせることはなく、むしろ多くの聖人たちが証明しているように、マリアに信頼することはイエスに忠実に従うための特別な道であると強調された。
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