今年10月22日の「世界宣教の日」に先立ち、教皇ベネディクト16世のメッセージが発表された。
毎年10月の最後から2番目の日曜日に行われるカトリック教会の「世界宣教の日」は、すべての信者に宣教の心を呼び起こし、世界に福音が広まるように祈る日で、特に宣教者たちへの精神的・物質的援助、宣教者間の交流の推進などが呼びかけられる。
今年のテーマ「宣教の中心である愛(カリタス)」に光をあてたメッセージで教皇は、「宣教が愛によって方向づけられていないならば、すなわち神の愛の深い行為から湧き出たものでないならば、それは単なる博愛的・社会的行為になってしまう」と記され、「神が愛であることを知らせる」というすべての信者に与えられた使命を強調された。
そして、教皇はキリストの十字架を神の愛の驚くべきしるしとして示され、宣教とは神の愛への忠実と深く結ばれたものであり、宣教者であることは自分自身のすべてをもって神を愛し、必要ならば自分の命までも神に捧げることと説かれた。
また、「宣教者であることは善きサマリア人のようにすべての人々の必要のため、特に貧しい人、恵まれない人たちに身をかがめること」でもあり「キリストの心で愛する人は自分の利益ではなく、神の栄光と隣人の幸せだけを追求する」と記され、ここに国境や文化を越え世界の果てまで拡がる宣教活動の豊かな実りの秘密があると述べられている。
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