教皇ベネディクト16世は、5日夕方、ローマ教区教会会議の開会式出席のため、ラテランの聖ヨハネ大聖堂を訪問された。
8日まで行われるこの会議では、同教区の聖職者、修道者、信徒、若者、教会運動関係者ら参加のもと、「信仰の喜びと新しい世代の教育」をテーマに、若い人々を信仰の喜びに導くための具体的な司牧のあり方とそのための家庭や学校の役割などが話し合われる。討議の内容は教区の来年度の司牧計画書に反映される。
開会式では、祈りとローマ教区教皇代理司教カミッロ・ルイーニ枢機卿の挨拶に続き、ベネディクト16世の講話が行なわれた。
ローマ教区は、「使徒ペトロ・パウロをはじめ、初期キリスト者たちの時代から信仰が説かれ、教会がうち立てられた都市ローマにおいて、すべての人々・家族に信仰を呼び覚ます必要」のもとに、10年前に前教皇ヨハネ・パウロ2世が始めた「市民宣教」計画に沿って長期的視野で司牧・宣教を進めている。
ベネディクト16世はこの路線を確認されると共に、同教区がここ3年間中心課題に据えてきた「家庭の司牧」からさらに発展し、今後、新世代の信仰教育にも特別な力を注いでいくことに励ましをおくられた。
教皇は、若者たちが信仰を喜びとして捉え、主との出会いを深い安らぎとして味わうためには、自分が神から愛されているという確信を持つことが必要と説かれた。
「愛されていることを知る者は、自らも愛するよう促される。主もこうして私たちをご自分から最初に愛され、主と人々に対する愛を私たちの人生の中心に据えるように願われた」と述べた教皇は、若者たちがキリスト教は愛の喜びを妨げるものという先入観から開放され、むしろ愛を健全にし、強め、自由にするキリスト教の教えに目を開くことができるようにと、今後の同教区の司牧計画の実りに期待された。
![]() |
|||
|