教皇ベネディクト16世は、バチカンで5日、水曜恒例の一般謁見を行なわれた。
教皇は今月11日より夏期休暇のため北イタリア、ヴァレ・ダオスタに赴かれるため、この集いは7月中唯一の一般謁見となった。一方8月は、教皇はローマ郊外カステルガンドルフォに滞在される予定で、一般謁見も毎水曜日に定期的に開催されることとなる。
この日、謁見中のカテケーシス(教会の教えの解説)で、教皇はこのところのテーマ、イエスの12使徒の中から、使徒聖ヨハネを取り上げられた。
ゼベダイの子で、大ヤコブの兄弟であるヨハネを、イエスに召されてからは、使徒たちの中でも特に選ばれた一団に属し、ゲツセマネの祈りから最後の晩餐、十字架の足元にいたるまで、復活の主のイエスの生涯の重要な場面に常に行動を共にし、エルサレムの教会においても柱と目されていた人の一人であったと、教皇は紹介された。
また教皇は、伝承によればヨハネは最後の晩餐でイエスの胸元に頭を寄せていた愛弟子とされ、十字架の下にイエスの母マリアと共に立った者、イエスの空の墓の証人、また復活したイエス自身にも会った者であること、さらに神について人々にわかりやすく語る能力を持ったヨハネを東方教会では神学者と呼んでいることなどを説明された。
謁見後半、教皇は世界各国の参加者に様々な言語で挨拶を送られた。中でもポーランド語の挨拶で、7月は伝統的にキリストの御血に捧げられている月であることを紹介。無実の人々の血が流され続け、人々の心にしばしば福音的愛ではなく憎しみが、思いやりではなく侮蔑と横暴が巣くっているこの世界において、私たちの救いのために十字架上で流されたキリストの御血を今日の人類が知ることができるよう祈りましょうと招かれた。
最後に教皇は、今月13日から20日までブラジルで行われる第6回「宗教・科学・環境」シンポジウムに触れられ、コンスタンティノープル総主教バルトロメオ1世が発起するこの重要な催しが、神から人間に託された自然をより尊重するための貢献につながるようにと願われた。
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