2007年度の世界平和の日に向けた教皇ベネディクト16世のメッセージが、人間の尊厳に重点を置いたものであることが明らかになった。
毎年1月1日に記念されるカトリック教会の世界平和の日は、戦争や分裂、憎しみや飢餓などのない平和な世界が来るように祈ることを目的としている。ベトナム戦争下の1968年、時の教皇パウロ6世の呼びかけによって始められた世界平和の日は、来年で第40回を迎えることになった。
来年度の教皇平和メッセージのテーマは「平和の中心にある人間の人格」。
教皇はこのテーマを通し、人間の尊厳の尊重は人類家族の平和の本質的条件であることを強調されている。
人間の尊厳は、ご自分の似姿として創造した人間に対する神の刻印、人類の共通の定め、神と隣人に対する愛の基本であり、一人ひとりの超越的な尊厳を認識することにおいてのみ、平和への、また神との交わりへの道が開けるとしている。
また、このテーマは、人間の尊厳が逸脱したイデオロギーに脅かされ、科学技術のゆがめられた使用によって侵害され、一貫性のない生活様式によって矛盾をはらむようになった今日、人間の尊厳が尊重されず、社会が共通善を求めない状況の下で人類と平和が危険にさらされていることを警告するものとなっている。
教皇による平和メッセージの本文は、年末ごろに発表される予定。
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