来る7月23日(日)を中東平和のための祈りと悔い改めの日に、という教皇ベネディクト16世のアピールに、各国のカトリック教会やカトリック系団体はさっそく一致の動きを見せているが、中東の闘争地域の教会関係者もこの呼びかけを感謝をもって受けとめた。
ここ数日、中東闘争の即時停戦に向けての働きかけを願う手紙が何通も教皇庁に届いたが、ギリシャ・メルキト典礼アンティオキア総大司教グレゴリオス3世ラハームもこうした書簡を記した一人だった。同総大司教は、教皇の中東の平和を願うたびたびの発言と今回の全信者への祈りの呼びかけに感謝を表明した。
また、マロン典礼ビブロス大司教ベカラ・ライ師もバチカン放送を通し、教皇のアピールと皆の一致した祈りに対するレバノンの信者たちの感謝を伝えた。
同大司教によれば、現在レバノンで居住地を離れ難民状態にある人々の数はおよそ50万人で、人道支援団体らと共に小教区などを中心にカトリック教会も懸命に援助を行なっているものの、国際的組織の力がどうしても必要な状態にある。しかしながら、すべての幹線道路は絶たれ、救援物資も容易に届かないという。
一方、聖書学の教授で、レバノンで小教区の主任司祭を務めるジャン・アザーム神父は、バチカン放送の電話インタビューに、闘争がいつまで続くかわからないだけでなく、自分たちとは無関係な戦争の罠から抜け出せなくなった市民たちの不安と焦燥を語った。
同神父は、人々は神だけが平和をもたらしてくれると信じており、神の愛と、人民間の兄弟愛を信じる人が多くなればなるほど、それだけ平和への到達と問題解決への可能性も増すことからも、教皇の祈りの呼びかけはとても大切であると述べた。
現地の状況についてアザーム神父は、「ベイルートのカリタスがここ数日食糧・医療品の配布を始め、可能な限り必要とされる場所に救援を送っている。今レバノンは憎悪と戦争のもとにあるが、こうした中で共に生き、互いを兄弟として助け合うことを通して、キリスト教徒もイスラム教徒も皆深い精神的体験をしているという意味において希望はある」と話した。
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