ローマで開かれたレバノン情勢をめぐる国際会議にオブザーバーとして出席したバチカンの外務局長ジョヴァンニ・ラヨロ大司教は、27日、バチカン放送局のインタビューに答え、同会議の成果などについてコメントした。
ラヨロ大司教は、イタリア政府の働きで迅速に招集され、目下緊急とされる事項に焦点をあてた同会議を前向きに評価していると述べた。
特に世界の様々な国々がレバノンで起きていることの重大性を認識し、同国の完全な主権の一刻も早い回復と国民への援助を唱えている点、国連主導による国際部隊の派遣を望むと共に、人道支援と復興援助について多くの国が具体的な計画を持ち、援助提供国間の会議が招集された点、レバノン情勢における国際共同体の働きかけに対し今後も積極的な関与を表明している点をその理由として挙げた。
会議の結果が世論に失望感をもたらしている原因として、即時停戦への合意が得られなかったことを大司教は第一の理由とし、合意が実現しなかったのは、ある国々は即時停戦では目標とする効果に達することができず、対立を即時止めるための努力を表明する方が現実的であると主張したからだ述べた。
教皇庁の使節はオブザーバーとして招かれたため、会議場での発言はなかったという。
同会議終了後も、教皇庁は即時停戦の立場に留まり続けると大司教は強調。問題は山積みで複雑極まりないが、それゆえすべての問題の一挙解決はできず、すぐに解決できるものからひとつずつ始めていくのが大切であると指摘した。
停戦にはまずそのための条件を作り出さなければならないという意見は見せかけだけの現実主義である、と大司教は述べ、停戦への条件作りは無実の人々を殺すという以外の方法で可能であるし、そうでなければならないと訴えた。
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