教皇ベネディクト16世は、６日、滞在先のカステルガンドルフォで、日曜正午の祈りを信者と共に唱えられた。
集いの説教で教皇は、この日典礼暦で記念された「主の変容」（マルコ９，２−10）に触れられ、ペトロ、ヤコブ、ヨハネを連れて登った高い山の上で変容され、その輝きゆえに「この世のどんなさらし職人の腕も及ばぬほど白くなった」イエスの姿を観想された。
変容されたイエスの顔は内面深くに持っておられた神々しい光で輝き、その同じ光は復活の日にもその御顔を照らしたと述べた教皇は、この意味で主の変容は復活の神秘を先取りしたものとして現れ、救いの全歴史に現存される神の光の神秘に心の目を開くよう私たちを招くものと話された。
旧約聖書で光は神の栄光、英知、その本質を象徴するものとして表されるが、新約聖書でキリストは神の光を完全に顕示するものであり、「わたしは世の光である。わたしに従うものは闇の中を歩かず、いのちの光を持つ」（ヨハネ８，12）と福音の中でイエスご自身が確言するように、「キリストにおいて今や神の光は完全に人と歴史を照らす」と説かれた。
そして教皇は、「私たちのこの時代も闇から抜け出し、光の子としての喜びを味わうことがどれほど必要なことか」と述べられ、前日、ローマの聖マリア大聖堂の献堂において記念された聖母に、兄弟同士の殺し合いで苦しむ中東の人々に平和をもたらしてくださるよう祈られた。
「平和は何よりも神の賜物であり辛抱強く祈り求めるものだが、すべての善意の人々の義務でもあることを思い出して欲しい」と教皇は願われ、これまで私たちの即時停戦の呼びかけは聞き入れられぬままに終わったが、今一度すべての人々に正義に基づく持続可能な平和構築のため有効な貢献を呼びかけたい」と新たなアピールを発せられた。
また、この日と同じように、主の昇天を迎えた1978年８月６日の日曜日、教皇パウロ６世がここカステルガンドルフォで息を引き取られたことを思い起こされ、第２バチカン公会議とその後の教会に大きな貢献をした故教皇を神への感謝と共に追憶された。
桃を名産とするカステルガンドルフォで、この日は恒例の「桃まつり」があり、教皇は地元市民から贈られた果物に感謝を述べられたのをはじめ、各国の巡礼者に温かい挨拶をおくられた。
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