教皇ベネディクト16世は、2日、水曜恒例の一般謁見を行なわれた。
カステルガンドルフォに滞在中の教皇はこの朝、一般謁見のためバチカンに赴かれた。
この日の謁見にはヨーロッパの17カ国から訪れたミサ侍者の青少年たちおよそ4万2千人が参加、折からの暑さにも負けず会場の聖ペトロ広場をいっぱいに活気付けた。
侍者たちの大巡礼団は、20人ほどの司教、約300人の司祭と助祭に付き添われて、前日1日にバチカンに集合、夕方から大聖堂前で祈りや歌の集いを共にし、その後、ウイーンのクリストフ・ショーンボン大司教司式のミサに与った。ミサの後も広場で各国の青少年たちの間で交流が続いた。
教皇は教会の若い奉仕者たちに各国語で温かい歓迎の挨拶をおくられた。
まず、ドイツ語圏からの3万5千人の侍者たちに言葉をかけられた教皇は、ご自分もまた70年前の1935年に侍者となり、そこから長い歩みが始まったことを振り返られた。
教皇はこのところの一般謁見のカテケーシス(教会の教えの解説)で聖ペトロや聖アンドレア、聖大ヤコブ、聖ヨハネ、聖小ヤコブなど、キリストの十二使徒を順次テーマに取り上げていることを紹介しつつ、この日は個別の使徒ではなく、「使徒とはどういう人たちだったのか」ということについて共に考えることで、皆の人生や教会の奉仕に役立つことができればと話された。
「使徒たちはイエスの友でした」と教皇は述べ、「わたしはあなたがたをしもべとは呼ばない。わたしはあなたがたを友と呼ぶ」(ヨハネ15・15)という最後の晩餐でのイエスご自身の言葉を思い起こされた。
そして、イエスの友として、聖霊に生かされた愛に一致していたからこそ、彼らはイエスの使徒となり証し人となることができたのであり、聖霊は各自とイエスとの絆を生き生きとさせ、その友情を強く深いものにし、若者の人生に意味を与え、彼を福音の勇気ある証人へと変えていくと説かれた。
「わたしの愛にとどまりなさい。あなた方が実を結ぶように」(ヨハネ15・9、16)というイエスの言葉を掲げられた教皇は、呼ばれた者に司祭職の道の中で豊かに報いられるイエスの声に大きく心を開いて耳を傾けるよう、またすべての人たちと友情の絆を強めたいと欲しておられるイエスの声を、各自の召し出しが何であれ信頼を持って受け入れるようにと招かれた。
教皇はイタリア語などでも、「イエスとの友情という人生で一番美しい賜物を大切にし、典礼に奉仕するたびに喜びをもってその友情を新たにしてください」と話されたほか、他の言語でも「常にイエスの友であり、使徒でいるように」と励ましを与えられた。
謁見の終わりに、教皇は苦しむ中東のために祈り続けるようにと人々に呼びかけられた。
「私たちの目は多くの人々の、特に子どもたちの痛めつけられた体の、血の凍るような映像でいっぱいです」と述べられた教皇は、特に、レバノンのカナに思いをはせられ、「どの側にあっても、無実の人々の血を流すことを正当化できる理由はありません」と再び訴えられた。
教皇は苦悩に満ちた心で、すべての敵対、暴力行為を即時停止するよう急務の呼びかけを繰り返すと共に、国際共同体と当事者らに、決定的な危機打開策のための条件を一刻も早く見出すよう勧め、未来の世代により平和で安全な未来を引き渡せるようにと願われた。
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