教皇ベネディクト16世は、20日、滞在先のカステルガンドルフォで日曜正午の祈りを信者と共に唱えられた。
集いの説教で教皇は、典礼暦でこの日記念された偉大な教会博士、クレルヴォーの聖ベルナルド(1091−1153)を取り上げられ、今日にも通じる彼の模範と教えに注目された。
聖ベルナルドは、強い精神的試練を経験した後、世間から身を引き、25歳の時、クレルヴォーのシトー会の修道院長となり、死に至るまで38年間にわたり会員らを導いた。彼の沈黙と観想への専念は、熱心な使徒職を妨げることなく、激しい気性を押さえる努力、自分の限界と短所を認める謙虚さにおいても模範的であったと、教皇はその生涯を振り返られた。
彼の神学の豊かさとその内容の高さは、新しい分野を切り開いたのみならず、聞く人を魅了し、わかりやすい明解な方法で信仰の真理を示しつつ観想と祈りに心を導くことに成功し、その著作の一つひとつに反映される豊かな内的体験を、驚くべき説得力をもって人々に伝えることができたと話された。
教皇は、聖ベルナルドにとって霊的生活の最大の力は愛であり、彼は私たちに、愛である神は人間を愛のために創り、愛ゆえにあがなわれることを教えてくれると述べられ、神は愛において、人間の意志と知性を癒し、神とより一致した段階、すなわち聖性と神秘的一致の高みに導かれると、短くも内容の濃い著作『神の愛について』の中で記していることを紹介された。
さらに、かつて彼の弟子であった教皇エウジェニオ3世に宛てた著作『熟慮について』を挙げられた教皇は、同書の中心を貫く、信心の本質的要素としての内的観想の重要性に注目された。
聖ベルナルドがこの中で働きすぎの危険について触れ、いかなる状況、務めにあっても、過度の多忙は心をかたくなにしてしまうばかりか、心の苦しみ、知性の迷い、恵みの浪費でしかないと警告していることに触れられ、これは時の教皇だけでなく、すべての教皇、そして私たち皆に言えることと話された。
少年の頃から聖母を子としての崇敬をもって愛し、「聖母博士」と呼ばれる聖ベルナルドが、その有名な説教でマリアを船乗りたちが航路を見失わないように見上げる星に例えていることを紹介されつつ、教皇は、内的生活と必要な仕事との間の難しいバランスを見つけることができるように、また世界全体が真の永続的平和を得られるように、聖母に取次ぎを祈られた。
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