聖母の被昇天を祝った15日、レバノンのハリッサで教皇特使ロジェ・エチガライ枢機卿司式によるミサが捧げられた。
国連安保理決議を受けた停戦が前日14日に発効したばかりの状況の中、エチガライ枢機卿は赦しと和解に基づく平和を説いた。
「心の平和が伴わない限り、協定上の平和は築けない」と述べた同枢機卿は、憎しみの空気に影響されることが多い中で、赦しだけが和解をもたらすことを知るべきであり、そのためにも祈り続けることの大切さを強調した。
また、エチガライ師は、「レバノンよ、お前は死なない」という教皇ヨハネ・パウロ2世が21年前に同国に向けておくった言葉を繰り返し、暴力と復讐の廃墟の中で、文化と宗教の一致と共存の地としての精神を再び見出し、その召命を強く保つよう呼びかけた。
一方、同日、イスラエルのナザレでも、イスラエルとパレスチナの教皇使節アントニオ・フランコ大司教出席のもと、ミシェル・サッバー・ラテン典礼エルサレム総大司教によって聖母被昇天のミサがとり行われた。
サッバー総大司教は説教で、「戦争は平和と安全を築くための手段にはなりえない」と、強硬な政策から真の平和をめざす道への変更を求めると共に、パレスチナ人・レバノン人・イスラエル人のすべての中に神の似姿としての尊厳ある人間の姿を見出す必要性を訴えた。
「すべての人間は、神から死ではなく命に招かれている」と総大司教は述べ、その人間の尊厳こそ、平和と再興のために必要な力であると説いた。
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