教皇ベネディクト16世は、22日夕方、カステリロマーニの一角にある町ネミに赴かれ、同地の十字架巡礼聖堂を訪問された。
ネミは教皇が目下滞在されるカステルガンドルフォからほど近い町で、奥深い緑と「ディアナの鏡」とも呼ばれた美しい湖で知られる。
ネミの町の入り口にある十字架巡礼聖堂には、フラ・ヴィンチェンツォ・ダ・バッシアーノ作のイエスの磔刑像(17世紀)がある。教皇パウロ6世は1969年9月にこの聖堂でミサを捧げている。
教皇のこの日の巡礼は私的な性格を持つもので、教会の主任司祭ジャチント・マサラ神父(メルセス会)も到着の数時間前に教皇の訪問を知らされたとあり、驚きと喜びを隠しきれない様子だった。
聖堂に入られた教皇は十字架像に深い感動を表され、兄のゲオルグ師と共にその前で夕べの祈りを唱えられた。
この後、教皇は巡礼聖堂の隣にあるメルセス会の修道院を訪問された。ここではクレメンス11世やベネディクト14世が滞在したことを記念する碑が掲げられた部屋などをご覧になり、素晴らしいネミ湖の眺めを満喫された。
教皇の突然の訪問の知らせは町の人々にも伝わり、教皇が修道院をあとにされる頃には市民や観光客らの人垣ができた。教皇は人々に祝福をおくられ、カステルガンドルフォにお戻りになった。
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