教皇ベネディクト16世は、9日午後、ミュンヘンに到着、6日間にわたるドイツ・バイエルン地方司牧訪問を開始された。
ミュンヘン国際空港に到着された教皇は、ケーラー大統領夫妻はじめ、メルケル首相、シュトイバー・バイエルン州首相ら政府・行政当局要人、同国の教会関係者らに迎えられた。教皇は微笑に顔を輝かせながら人々の手を握られ、登位後はじめて郷里バイエルンの地に戻った喜びをいっぱいに表された。
空港で行なわれた歓迎式典で、教皇は思い出に満ち、自己の人間形成に大きな役割を果たしたこの地に対する感謝に満ちた思いを語られた。
また、今回の訪問の目的はドイツの教会とローマ教皇庁の絆を確認するためでもあると述べ、バイエルンとドイツの人々が過去の豊かな伝統を受け継ぎ、変容する現代社会の中でこれからもキリスト教信仰の精神遺産を新しい世代に伝えていくことを願われた。
そして、教皇はすべてのドイツ国民、カトリック信者だけでなく、ルーテル教会や正教会など他のキリスト教教会とその他の諸宗教の信者たち、そして平和を望むすべての人々に心からの挨拶をおくられた。
この後、教皇は空港からミュンヘンの中心部マリエンプラッツへと向かわれた。広場で歓声を上げる鈴なりの市民らに迎えられた教皇は、ここでもミュンヘン=フライジング大司教時代の思い出を語られるなど深い感慨を表された。教皇は聖歌を信者らと声を合わせて歌われ、聖母に同市とバイエルンを託して祈られた。
さらに教皇はこの日夕方から夜にかけ、大統領への表敬訪問と、同国首相および州首相との会見を行なわれる。
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