ドイツ・バイエルン訪問最終日の14日、教皇ベネディクト16世はフライジングの大聖堂で司祭と助祭らとの出会いを持たれた。
今回の最終訪問地フライジングは、ミュンヘン北東にある人口4万5千人の町。同地におけるキリスト教の歴史は古く、バイエルン地方に福音を伝えた聖コルビニアーノが724年頃、ベネディクト会修道院と学校を近くに創始したことが始まりと言われる。彼の後継者聖ボニファティウスが738年にフライジング教区を起こし、それは1803年まで続いた。同教区は1818年、ミュンヘン大司教区と合併した。
フライジングの大聖堂は1205年に聖母と聖コルビニアーノに捧げて建設されたもので、簡素な外観と対照的に、内部は後期バロック装飾で豊かに彩られている。教皇は1951年6月29日、この大聖堂で司祭に叙階され、後、教区大神学校で教鞭をとっている。
大聖堂を訪問された教皇は聖コルビニアーノの聖遺物の前で祈りを捧げられた。
出席者の間には、55年前、教皇と共に叙階された司祭たちの姿もあった。
教皇は用意された原稿を使用せず、自由にお話を展開された。
この中で特に召命の問題に触れられた教皇は、「収穫は多いが、働き手が少ない」(ルカ10、2)というイエスの言葉を引用されながら、「人々の奥深くに、はいと答える心を呼び覚ましてください」と「収穫の主」に祈ることの大切さを説かれた。
また、良い司祭の条件として、熱心さと謙虚さの調和を挙げられ、熱心さはイエスの使徒として必要に迫られた兄弟たちのもとに赴かせ、一方で謙虚さは自分の限界を知らせると指摘。聖なる奉仕を単なる多忙に陥らせないために、祈りとミサ、聖務日課に霊的に養われる必要を強調された。
そして、今回の訪問のモットー「信じる者は決して独りではない」を掲げられた教皇は、私たちはキリストの友であるがゆえに独りではなく、また、司祭も独りではなく司教や他の司祭たちと一致する者であると述べ、一同に励ましを与えられた。
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