教皇ベネディクト16世は、19日、北イタリアのヴェローナを司牧訪問された。
この訪問は、今月16日から20日まで同地で開催中の第4回イタリア全国教会会議(テーマ:「世界の希望、復活のイエスを証ししよう」)への出席と、記念ミサの司式を目的とするもの。
イタリア全国教会会議は、教皇パウロ6世により1976年ローマで第1回目が開催され、教皇ヨハネ・パウロ2世もその後の第2回ロレート(1985)、第3回パレルモ(1995)の会議に出席されている。
一方、第4回会議の会場となったヴェローナ市にとっては、ヨハネ・パウロ2世の88年4月の司牧訪問以来、18年ぶりに教皇を迎えることになった。
この日の午前、同会議が行われているヴェローナの見本市会場に到着された教皇は、参加者らを前に講話を持たれた。
この会議を、第2バチカン公会議の実りを実現するための歩み、イタリアの教会と教皇との常なる一致を強める歩みと位置づけられた教皇は、会議を通して皆と祈り、仕事を分かち合い、現在のイタリアの教会にとっての重要問題を共に考えたいと述べられた。
教皇は、今日のイタリア社会が、世俗化された現代の風潮、実践と計算が可能なことだけに価値を認め、個人の自由をあらゆる基本的な価値観に優先させがちな文化の影響を例外なく受けていることを指摘。神を文化と生活の中から閉め出し、世界は自分たちが築いたものであるかのような考え方の中で、人間はますます矮小化され、短絡化された宗教・倫理観と共に真の文化的・宗教的対話はますます困難なものになっていくと警告された。
こうした意味でイタリアは多くの精神的渇きを抱えていると言える一方で、伝統を守り、生活の中で息づく教会の存在は同国をキリスト教の証し豊かな国としているとも述べられ、技術面と倫理面のバランスのとれた教育や、神の愛を目に見えるものとする愛と連帯の業などを通して、これからも積極的に世の希望であるキリストを証しして欲しいと、参加者らを励まされた。
教皇は、午後市内の聖ゼノ教会を訪問された後、市立競技場で市民参加のミサをとり行われ、夜ローマに戻られる。
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