聖フィリッポ・ズマルドーネ神父
(1848〜1923)

 

 聖フィリッポ・スマルドーネは、1848年、近世イタリア国家形成期の混乱のただ中にあるナポリで生まれた。

 このような困難な時期にあってフィリッポは自分自身を教会と社会への奉仕に奉献しようと決心。神学校に入学し、多くの困難を克服し、1871年念願の司祭となった。フィリッポの心の中にはすでに神学生の頃から、いつの日か自分はナポリという大都会の隅で皆から見捨てられ悲惨な状況の中で生きている多くの人々、特に当時社会的支援の欠けていたろう者たちのための使徒職に専念しようとの夢を育んでいた。

 司祭となったフィリッポはナポリの裏町で熱心にキリストの教えを説き、夜間学校を開き人々の教育に勤めた。積極的に病者たちを見舞い、特に疫病流行時には患者たちを勇敢に看護した。その際自分自身も感染し、死の危険に遭遇するも、彼が自身の天の保護者と呼んでいたポンペイの聖母の取次ぎによって奇跡的に快癒した。

 フィリッポは特にろう者の教育と育成に力を尽くし、その生涯のほとんどを彼らのために費やした。こうしてフィリッポはその長い経験からろう者教育の一人者となっていったのである。1885年、フィリッポはろう者のための施設を開くためにレッチェにおもむき、その活動の本拠を移した。しかし、彼はろう者のための事業を続行していくために強い愛と意志に恵まれた協力者たちを必要としていた。フィリッポの熱意に共鳴する敬虔な女性たちの協力を得て、彼は聖心のサレジオ修道女会を創立した。

 修道女たちの熱心な働きを得て、フィリッポの使徒職は順調に発展して行った。彼らの助けを必要とする孤児やろう者たちの数がますます増加したことから、フィリッポはローマとバーリにも新しい施設を開設し、修道女たちを派遣した。フィリッポとその修道会の会員たちの目的はろう者たちの精神的・物質的な必要を援助することで、フィリッポは彼らに対して真の父親としての愛情を育んでいた。また、彼はただろう者の使徒であったばかりでなく、多くの司祭や神学生たちの聴罪師として霊的指導にも励み、彼らを聖性の道に導いた。

 長い年月、ろう者や孤児や貧しく小さな人々への奉仕に生涯のすべてを捧げ尽くしたフィリッポ神父は、1923年、その霊的娘である多くの修道女や、ろう者たち、そして孤児たちの愛情に囲まれ天の御父の元へと旅立った。

 

 

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