教皇ベネディクト16世は、バチカンで12日、日曜正午のアンジェラスの祈りを唱えられた。
この日は朝から雨となったが、傘をさした大勢の巡礼者たちが聖ペトロ広場に集った。
説教で教皇は、イタリアでこの日曜日「感謝の日」が記念されたことを紹介された。「感謝の日」は、自然の恵みに感謝することを目的に、1951年国内の自営農業者連盟によって始められたもので、1973年からイタリアのカトリック教会でも毎年記念されるようになった。今年は「大地:すべての人類家族への賜物」をテーマとしている。
教皇は、「日用の糧」の大切さを認識し、そこに神の摂理の恵みを見出すために、キリスト教家庭で食事前に唱える祈りと十字架のしるしの重要さに言及すると共に、水や空気など、地球での生活の基本である貴重な要素や、大地を通して与えられる食物について、神に感謝する習慣を持つべきと述べられた。
イエスは彼の弟子たちに対し、天の御父に「わたしの」ではなく、「わたしたちの」日用の糧を与えてくださるよう祈ることを教えたと指摘された教皇は、大地の生産物は、神から「人類家族全体に」差し出された贈り物であることを強調された。
国連をはじめ世界の諸機関の取り組みにもかかわらず、飢餓の悲劇がいまだ非常に深刻な状態にあることを教皇は憂慮され、飢餓撲滅のためには、地球の資源の大半をごく一部の人々に向ける世界経済の構造的原因を取り除くことはもとより、すべての個人・家族が、被造物を守り、農業に従事する人々の権利に留意した新しい消費と生活のスタイルを選択することが必要であると説かれた。
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