パウロの弟子
テモテとテトスをテーマに
教皇一般謁見
(2006.12.14)

 

 教皇ベネディクト16世は、13日、水曜恒例の一般謁見を行なわれた。

 12月中旬に入ってからも比較的温かい日が続くローマだが、バチカンの聖ペトロ広場では、この日、イタリア・カラブリア州から運ばれたモミの木を立てる作業が行なわれ、設営中のプレゼピオ(イエスの降誕の場面を再現した馬小屋の模型)と共に待降節の雰囲気を伝えた。

 一般謁見は、参加者多数のため、聖ペトロ大聖堂とパウロ6世ホールの2ヶ所の会場で行なわれた。

 最初に聖ペトロ大聖堂内に集った巡礼者たちとお会いになった教皇は、特に現在バチカン定期訪問中の司教らに引率されたカラブリア各教区の巡礼団に、勇気をもって福音を告げ、その光と力を通して社会や倫理の再生に貢献するよう温かい励ましをおくられると共に、同州から寄贈されたモミの木に感謝を述べられた。

 パウロ6世ホールで行なわれたカテケーシス(教会の教えの解説)では、これまで行われた使徒聖パウロの考察に続き、彼の弟子、テモテとテトスを取り上げられた。

 テモテとテトスは、パウロの最も親しい協力者で、伝統的にパウロのものとされる「テモテへの手紙(一、二)」「テトスへの手紙」が差し向けられた人物である。

 教皇は、テモテの名は、ルカによって使徒言行録の中で6回、パウロの書簡の中では17回も名があげられていることを指摘。「テモテのようにわたしと同じ思いを抱いて、親身になってあなたがたのことを心にかけている者はほかにいない」(フィリピ2,20)と述べているように、パウロはテモテに大きな信頼を寄せ、彼に重要な宣教活動を託すこととなったと述べられた。

 テモテはギリシャ語の名で「神を尊ぶ者」の意で、ユダヤ人の母とギリシャ人の父のもと、タルソから北西約200キロのリストラに生まれ、パウロは第2回宣教旅行でリストラに行った際、「リストラとイコニオンの兄弟の間で評判の良い人であった」(使徒言行録16,2)テモテを同伴者として選んだ、と彼のプロフィールを説明された。

 続いて教皇は、テモテの宣教活動の軌跡を以下のようにたどられた。

 パウロとシラスと共に、テモテは小アジアをトロアスまで横断し、そこからマケドニアまで行く。この後、パウロを追ってアテネに着いた彼は、テサロニケのまだ新しい共同体に派遣される。そして、再びパウロとコリントへ向かう。

 パウロの第3回宣教旅行中、テモテはエフェソに登場するが、おそらくそこからパウロはフィレモンへの手紙と、フィリピの信徒への手紙を書き、この2通の書簡にテモテは共同差出人として名が記されている。エフェソからパウロは、テモテをエラストという人物と共にマケドニアに送り、コリントの人々への手紙を彼に託している。

 パウロの第2のコリントの信徒への手紙でもテモテは共同差出人とされ、そこから彼はトロアスへ行き、エルサレムに行くパウロを待った。そしてパウロの第3回宣教旅行が終了する。

 教皇は、テモテの消息はこれ以降、「わたしたちの兄弟テモテが釈放されたことをお知らせします」という、ヘブライ人の手紙(13,23)の知らせ以外に、古い文献上伝えられておらず、後、エウセビウスの「教会史」は、テモテはエフェソの最初の司教であったと記していることを紹介された。

 次に教皇はテトスに目を向けられた。テトスはラテン語の名を持つ、ギリシャ人であった。パウロは彼をエルサレムのいわゆる「使徒会議」に連れて行った。

 テトスへの手紙の中で、パウロは彼を「信仰を共にするまことの子」(1,4)と呼び、その信頼のほどを表していること、コリントからテモテが出発した後、パウロはそこにテトスを送り、テトスはコリントの共同体とパウロとの間に平和をもたらし、それに対するパウロの喜びはコリントの信徒への手紙2(7,6-7.13)に詳しく記されていることを示された。

 さらに、コリントにテトスはエルサレムの信徒のための献金のために再び派遣され、その後、彼はクレタで司教的役割を果たし(テトス 1,5)、そこからさらにニコポリスにいるパウロのもとへと向かい、続いて、ダルマチアにも行っている(2テモテ 4,10)が、彼のその後の活動やその死についての情報はないと話された。

 まとめとして教皇は、テモテとテトスの2人の存在によって分かる重要なことは、まず第一に、パウロがその宣教の展開に信頼する協力者を活用しており、彼らと労苦や責任を共有していたということ、またもう一つは、その協力者たちがどんな困難もいとわず、パウロの代理人としての役割を背負って働いていたということで、これらは、私たちに寛大さをもって福音ならび教会に奉仕することの大切さを教えてくれると述べられた。

 

 

 

 

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