イラクのサダム・フセイン元大統領の死刑が30日執行されたことに対し、バチカンは死刑に反対の立場を重ねて強調すると共に、今後の新たな暴力に懸念を表明した。
教皇庁報道局長フェデリコ・ロンバルディ神父は、フセイン元大統領の処刑は「悲惨なニュース」であり、たとえ重大な犯罪をおかした人物であったとしても死刑という対処は悲しむべきことと述べた。
ロンバルディ神父は、カトリック教会の死刑反対の立場を改めて明らかにし、元大統領の処刑は正義を再構築し社会を和解させる道ではなく、むしろ復讐心と新たな暴力の危険をはらむものと指摘、イラク国民が直面している現在の不安な状況に和解と平和をもたらす最大の努力を関係責任者らに訴えた。
また同様に、教皇庁正義と平和評議会議長レナート・ラファエレ・マルティーノ枢機卿も、教皇ヨハネ・パウロ2世の回勅「いのちの福音」を引用しつつ死刑反対の立場を示し、イラクの状況悪化を憂慮した。
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