エマウス共同体を創立し、貧しい人々、社会的に弱い立場にある人々の支援に尽力したアベ・ピエール(ピエール神父)が、22日、パリ市内の病院で亡くなった。94歳だった。
ピエール神父(本名:アンリ・アントワン・グルエ)は、1912年、フランスのリヨンに生まれた。16歳でイタリアのアッシジを訪れた彼は、聖フランシスコの生き方に捉えられ、19歳でカプチン会に入会。1938年、司祭叙階。健康上の理由でその後、修道生活から退き、グルノーブル教区の司祭となる。戦時中は、ナチスに迫害される人々を助ける活動をした。
1949年、エマウス運動を創始。以来、休むことなく、路上生活者や様々な事情で社会から疎外されている人々の自活と尊厳のための活動を世界中に広げてきた。
フランスのシラク大統領は、お悔やみの言葉の中で、ピエール神父の死はフランス中の「心を打った」と述べた。
また、フランス司教協議会はその声明の中で、ピエール神父の最も貧しい人々に対する寛大さ・連帯・関心を思い起こし、同国の教会の深い悲しみを表した。
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